ハッブル宇宙望遠鏡、セーフモードに

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日本時間10月6日、ハッブル宇宙望遠鏡がジャイロの故障のためセーフモードへ入った。予備のジャイロにも不具合が見られることから、運用モードの変更も検討しながら復旧作業が続けられている。

【2018年10月11日 HubbleSite

NASAのハッブル宇宙望遠鏡(HST)は1990年に打ち上げられて以来、四半世紀以上にわたり、太陽系内の天体から様々な星雲や星団、非常に遠方に存在する銀河まで膨大な観測を行ってきた。HSTの観測によって、科学的に重要な結果だけでなく、単に観賞するだけでも興味深い数々の画像が得られており、その成果は研究者から一般の人々までを虜にしている。

HSTにはこれまでに何度か、修理や機能改修が行われている。最後の修理は2009年に実施され、望遠鏡の姿勢を安定させるための新しい「ジャイロ」装置が6個取り付けられた。

ハッブル宇宙望遠鏡
2009年にスペースシャトル「アトランティス号」によって実施された修理ミッションの際にクルーが撮影したハッブル宇宙望遠鏡(提供:NASA and ESA)

この6個のジャイロのうち2個はこれまでに故障してしまい、残る4個のうち3個を使ってHSTの運用が続けられてきた。そして日本時間10月6日午前、運用中だった3個のうちの1個が故障してしまったことから、HSTはセーフモード(待機状態)に入った。

今回故障したジャイロには1年ほど前から寿命を迎える兆候が見られていたため、故障そのものは予想外のことではなかった。しかし、予備としてこれまで使わずに取っておいたジャイロに電源を入れて状態を確認したところ、使用可能なレベルにないことが明らかになった。このため、HSTはセーフモードを維持している。

NASAゴダード宇宙飛行センターと宇宙望遠鏡科学研究所のスタッフは、分析とテストを行って、このジャイロを通常の状態に戻すための方法を検討中だ。無事にジャイロが回復すれば、HSTは3個のジャイロを使った標準的な設定で科学観測を再開する。一方、もしジャイロの使用が不可能という結論になれば、HSTは稼働させるジャイロを1個だけにして科学観測を開始する。ジャイロ1個での運用は、観測時間中にカバーできる空域が狭くなるものの、科学観測を行う能力への影響は限定的なものに留まる。

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