大きく鮮明に見えるようになってきたベンヌ
2016年9月に打ち上げられたNASAの探査機「オシリス・レックス」(オサイレス・レックス)は、これまでに19億kmの飛行を順調に進め、目標の小惑星「ベンヌ」に迫ってきている。11月7日時点で、オシリス・レックスとベンヌとの距離は約186kmまで縮まっている。到着は12月初めの予定だ。
このたび公開された動画のうちの一つは、オシリス・レックスが10月中旬から下旬にかけて撮影した16枚の画像から作成されたものだ。今年8月17日に初めてとらえられたベンヌは小さな点にしか写っていなかったが(参照:「オシリス・レックスがベンヌを初撮影」)、ベンヌの姿が徐々に鮮明かつ大きく見えるようになり、ベンヌの形状や表面の様子がよくわかるようになってきた。
また、11月2日に約197kmの距離から撮影された画像を使って作られた、ベンヌの自転(約4時間11分で1回転)の動画も公開されている。
赤道付近が膨らんだベンヌの形状や表面の様子は、「はやぶさ2」が探査中の小惑星「リュウグウ」とよく似たイメージで、さながらリュウグウの小型版がベンヌといった印象だ。なぜ同じような形状になるのか、異なるところは何かといった点も、今後の探査で明らかにされていくだろう。
〈参照〉
- NASA:
〈関連リンク〉
- 小惑星探査機「オシリス・レックス」
- Where is the Spacecraft? 探査機の現在の位置などに関する情報
- OSIRIS-REx - ベンヌに太陽系の歴史を求めて / TPSJ 日本惑星協会
- 2017年9月22日の「オサイリス・レックス」観測キャンペーン / JAPOS 日本公開天文台協会
- アストロアーツ 天体写真ギャラリー:2017年9月22日 「オシリス・レックス」
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