TRAPPIST-1の7惑星の密度は似ている
【2021年1月29日 NASA JPL】
みずがめ座の方向約40光年の距離にある赤色矮星「TRAPPIST-1」の周りには、2016年から2017年にかけて7個の惑星が発見された。単独の星の周囲に見つかっている惑星系の中では、地球サイズの惑星の数が最も多く、7個のうち6個には何らかの大気が存在すると考えられており、注目を集めている(参照:「TRAPPIST-1の惑星に地球に似た大気や大量の水が存在か」)。
米・ワシントン大学のEric Agolさんたちの研究チームは、NASAの赤外線天文衛星「スピッツァー」やハッブル宇宙望遠鏡、系外惑星探査衛星「ケプラー」などの観測データを組み合わせてこれらの惑星の密度を正確に求めた。その結果、太陽系外の惑星の密度としてはこれまでで最も正確な見積もりが得られ、7惑星の密度がほぼ同じであることがわかった。岩石惑星とガス惑星とで大きく密度が異なる太陽系とは大きな違いだ。
TRAPPIST-1の惑星の密度は地球や金星とより8%ほど低い。理由はいくつか考えられるが、TRAPPIST-1の惑星の組成が地球と同じだとすると、鉄の割合がTRAPPIST-1の惑星では小さいのかもしれない。あるいは、TRAPPIST-1の惑星では鉄が酸化鉄のかたちで存在しているために密度が下がるという考えもある。大量の水(中心星に近いところでは水蒸気で外側では液体)が存在しているというアイディアもあるが、可能性は小さいという。
〈参照〉
- NASA JPL:The 7 Rocky TRAPPIST-1 Planets May Be Made of Similar Stuff
- The Planetary Science Journal:Refining the Transit-timing and Photometric Analysis of TRAPPIST-1: Masses, Radii, Densities, Dynamics, and Ephemerides 論文
〈関連リンク〉
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