レナード彗星、順調に増光中
【2021年11月17日 アストロアーツ】
文:大熊正美(アストロアーツ/東京荻窪天文台)
レナード彗星(C/2021 A1; Leonard)は2021年1月3日、米・レモン山天文台のGregory J. Leonardによって発見された。符号からわかるように、今年最初に発見された彗星である。発見時の光度は19等級で、太陽から約5天文単位(7.5億km)の距離にあった。
このレナード彗星が12月12日に地球から約0.233天文単位(3500万km)の位置を通過し、肉眼で見える明るさになると予想されている。12月には6等級を上回り、肉眼彗星として最大4等級になる見込みだ。
11月15日未明に東京荻窪天文台で撮影した画像には、すでに核を取り巻く緑色のコマや短いながらもしっかりとした尾が写っていた。東京の明るい光にも負けることなくしっかりとした彗星らしい姿を見せてくれている。当初の予想よりやや明るい印象で、12月の最接近時へ期待は高まるばかりだ。
アストロアーツの天体写真ギャラリーにもいくつもの投稿が来ており、空の暗いところで撮られた画像にはよりしっかりしたコマと美しい尾がとらえられている。今年の冬を楽しくしてくれるであろうレナード彗星。防寒・安全に気をつけながら、一期一会を楽しんで欲しい。
レナード彗星の経路、明るさ予想などは星空ガイドのページを参考にしてほしい。iステラやスマートステラなどモバイルアプリでも彗星の位置を簡単に確かめることができるのでぜひ活用いただきたい。アルクトゥールスや金星との接近など見どころも満載だ。
また、ステラナビゲータで観測計画を立て、ステラショットで撮影、ステライメージで画像処理する、天体撮影の楽しさを経験する良いチャンスでもあるので、ぜひトライしてみてほしい。
〈関連リンク〉
- 星空ガイド:2021年12月 レナード彗星が5等前後
- 天体写真ギャラリー:レナード彗星(C/2021 A1)
- 天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」 最新の情報に対応して彗星の見え方を再現
- 天体撮影ソフト「ステラショット」 赤道儀とカメラを制御して撮影を自動化
- 天体画像処理ソフト「ステライメージ」 彗星の移動に合わせて画像を合成するメトカーフコンポジット機能
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