SLIMが3回目の越夜に成功

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4月23日夜、月着陸実証機「SLIM」が3回目の越夜を達成したことが確認された。

【2024年4月24日 JAXA(1)(2)首相官邸

4月23日(水)夜、月着陸実証機「SLIM」が再び起動し地上との通信に成功し、3回目の越夜を達成したことが確認された。SLIMは1月20日に月面着陸し、一度休眠した後に2月下旬に再起動、さらに3月下旬に再々起動していた。

SLIMの航法カメラがとらえた月面
3回目の越夜成功後にSLIMの航法カメラがとらえた月面。越夜後としてはこれまでで最も早い月齢での撮影だったため、画像は全体的に明るく、写っている影が非常に短い(提供:JAXA

SLIMは、設計上想定されていない越夜に3回成功しても依然として主要機能を維持した状態にある。JAXAでは今後、引き続きSLIMの状態を詳細に確認しながら、月の昼夜の環境によって機器やパーツの部品がどのように進行するのかなどを明らかにしていく予定だという。

1週間前の4月17日(水)には、SLIMのプロジェクトマネージャー坂井真一郎さんとH3ロケットのプロジェクトマネージャー岡田匡史さんが岸田文雄首相を表敬訪問し、SLIMの越夜達成やH3の打ち上げ成功をそれぞれ報告した。岸田首相からはお祝いの言葉とともに、「ピンポイント着陸の成功はどんな日本の技術によるものだったのか」、「失敗を乗り越えて打ち上げが成功したH3の開発で、特にたいへんだったことはどんなことだったのか」といった質問が投げかけられた。

「SLIMによる月面着陸の成功、H3の打ち上げ成功にお祝い申し上げます。世界初のピンポイント着陸の成功は、日本の高い技術を示しました。SLIMで得られた貴重なデータが日本も協力しているアルテミス計画などに大きく活用されることを期待しています。ロケットという輸送能力の強化は、宇宙政策における最大の課題と認識しております。国内外の多様な需要に応えることを期待しております」(岸田首相)(※発言内容は政府広報オンラインの動画より抜粋)。

坂井真一郎さんと岡田匡史さん、山川宏さん(JAXA理事長)の首相表敬訪問の様子(提供:首相官邸)