準天頂衛星「みちびき6号機」搭載のH3ロケット5号機、打ち上げ成功

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準天頂衛星「みちびき6号機」を搭載したH3ロケット5号機が、2月2日17時30分に種子島宇宙センターから打ち上げられた。ロケットは計画通りに飛行し、衛星は正常に分離されて所定の軌道に投入された。

【2025年2月3日 JAXA

2月2日17時30分00秒、準天頂衛星システム(QZSS)「みちびき」の測位衛星「みちびき」6号機(QZS-6)を搭載したH3ロケット5号機が鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。

H3ロケット5号機の打ち上げ
H3ロケット5号機の打ち上げ(提供:JAXA

ロケットは計画通りに飛行し、打ち上げから約29分3秒後に分離された衛星は所定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。H3ロケットの打ち上げは4回連続の成功となる。衛星は約半月後に静止軌道へ到達し、機器の機能確認などを行った後に現在稼働中の4機に加わってサービスを開始する。

準天頂衛星システム「みちびき」は日本独自の衛星測位システムで、準天頂軌道上に3機、静止軌道上に1機の計4機で運用されている。「みちびき」による測位と時刻同期サービスは、個人のスマホ上の地図サービスをはじめ、日常の様々な場面で社会を支えるインフラだ。内閣府では「みちびきを利用した実証事業」を企業や大学などと進めている。

今回打ち上げられた6号機は、他国のシステムに頼らず「みちびき」のみでの測位を可能にする7機体制に向けて、衛星3機を追加するうちの1機である。5号機と7号機は特定の上空に長時間留まる準天頂軌道を周回するが、6号機は赤道上空の静止軌道を周回する。この静止軌道は各国の競争が激しいため、一刻も早く軌道を確保する目的で、5号機に先立って6号機が打ち上げられた。

静止軌道上で稼働する「みちびき」6号機の想像図
静止軌道上で稼働する「みちびき」6号機の想像図(提供:内閣府

なお、今回の打ち上げでは、第1段エンジン燃焼フェーズ後に推力を絞る「スロットリング」という機能の実証や、将来の「ロングコーストミッション」の飛行実証に生かすためのデータ取得も実施された(参照:「防衛通信衛星「きらめき3号」搭載のH3ロケット4号機、打ち上げ成功」)。

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