インド、初の太陽観測衛星の打ち上げに成功

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9月2日、インドが同国初となる太陽観測衛星「Aditya-L1」を打ち上げ、予定軌道へと投入した。

【2023年9月6日 インド宇宙研究機関(1)(2)

9月2日15時20分(日本時間)、インド宇宙研究機関(ISRO)がインド南部のサティシュ・ダワン宇宙センターから太陽観測衛星「Aditya-L1」を搭載したPSLV-XLロケットを打ち上げた。衛星は約60分後に予定の軌道へ投入され、打ち上げは成功した。

Aditya-L1の打ち上げ
Aditya-L1の打ち上げ(提供:ISRO)

Aditya-L1は今後4か月ほど飛行して、地球から約150万km離れた太陽-地球系のラグランジュ点1(L1)を回るハロー軌道へ到着する。この軌道からは日食などの影響を受けずに継続的に太陽を観測でき、NASAとヨーロッパ宇宙機関の太陽観測衛星「SOHO」も25年以上にわたって観測を続けている。

インド初の太陽観測衛星であるAditya-L1は7つの観測機器を搭載しており、太陽の表面である光球や上空の彩層、さらにその外側に広がるコロナのほか、太陽風粒子や磁場を観測し、太陽活動が及ぼす宇宙天気への影響などを調査する。

打ち上げ中継の録画「Launch of PSLV-C57/Aditya-L1 Mission from Satish Dhawan Space Centre (SDSC) SHAR, Sriharikota」(提供:ISRO Official)

一方、8月23日に月面に着陸した探査機「チャンドラヤーン3号」も活動を開始している。着陸機から月面へ降り立った小型ローバーは、月面と着陸機が写る画像を撮影したり、月の南極付近の表面に存在する硫黄などの物質を検出したりしている。エンジンを噴射して上昇し30~40cm離れた場所に着陸するという技術実証にも成功しており、同国の宇宙開発技術の高さをうかがわせる成果を収めている。

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