ロシアの月探査機「ルナ25号」、打ち上げ成功
【2023年8月15日 NASA】
日本時間8月11日8時10分、ロシアの無人月探査機「ルナ25号」を載せたソユーズロケットがロシア・ボストチヌイ宇宙基地から打ち上げられた。探査機は上段ロケットのフレガートによって月へ向かう軌道へ投入されている。ロシアによる月探査機の打ち上げは、ソ連時代の無人月探査機「ルナ24号」以来47年ぶりだ。
探査機は16日に月を周回する円軌道に入り、3日間の飛行後に楕円軌道へと移って、さらに5~7日間飛行する。その後、月の南極にあるボグスラフスキー・クレーター(直径約95km)の北部(南緯69.545度、東経43.544度)へ着陸する。予備の着陸地点として、マンチヌス・クレーターの南西(南緯68.773度、東経21.21度)が設定されている。
着陸後、ルナ25号は1年間にわたって月面の探査を実施する予定だ。着陸機に備え付けられた長さ1.6mのロボットアームで細かい砂(レゴリス)を採取して組成を調べるほか、月の極圏上空にあるプラズマや塵を測定する。
月の南極域は、太陽光が届かないクレーター内の永久影に水の氷が埋蔵されていて注目の領域だ。ルナ25号と同じころ、7月14日に打ち上げられたインドの無人月探査機「チャンドラヤーン3号」の着陸機も、月の南極付近(南緯70度)への着陸を予定している。また、NASAの有人月面探査計画「アルテミス」でも、2025年打ち上げの「アルテミスIII」で宇宙飛行士を月面に送る際の着陸地点候補を全て月面の南極付近に設定している。
人類が初めて月面着陸を果たしてから50年以上が経過した今、月面探査が再び脚光を浴びている。月をめぐっては、資源開発をはじめ、月周回有人拠点「ゲートウェイ(Gateway)」や月面の有人探査拠点の建設、さらに月を足がかりとした有人火星探査など、世界各国による探査やそれに関わる技術開発が活発であり、今後もその勢いは増すだろう。JAXAも、8月26日に小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」の打ち上げを予定している。SLIMでは、着陸したい場所へピンポイントで着陸する技術の実証を目的としていて、得られる知見は将来の月惑星探査に役立てられる。
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