NASA の新しいディスカバリー・ミッションは小惑星探査と系外惑星捜索
【2001年12月25日 JPL 2001 News Releases / NASA News (Ames Research Center)】
NASA の新しいディスカバリー・ミッションに、ケレス、ベスタ 2 つの小惑星を探査する Dawn 計画と、太陽系外の惑星を探す Kepler 計画が選ばれた。ともに 2006 年の打ち上げを目指して準備に入る。
Dawn 計画では、最も重い 2 つの小惑星、ケレスとベスタに 9 年かけて接近し、形、大きさ、内部構造などの特徴や、化学組成、磁気分布などを調査することになっている。これらの小惑星には太陽系形成に関して興味をかき立たせてくれそうな手がかりが詰まっている。太陽系ができあがる一番最初の段階でどうやって惑星が作られていったのかを、より詳しく知ることができるようになりそうだ。なお、この計画では、先日運用を終えたディープ・スペース 1 号で試験的に使われていたイオン推進技術が使われる。
一方、Kepler 計画は地球くらいの大きさの惑星を探すことを目的としている。10 万個の星が含まれる領域を継続的に観測し、星の前面を惑星が通過する現象が起こるのを待つのだ。惑星が通過すれば星の明るさが周期的に変化するはずなので、そこから惑星の大きさや公転周期を知ることができる。
ディスカバリー・ミッションは、低予算で、ある目的に特化した科学探査を行なうというもの。今回の 2 つの計画は 26 の候補の中から選ばれたものである。同様の科学探査はこれまでに、小惑星探査機ニア・シューメーカーや火星探査機マーズ・パスファインダー、太陽探査機ジェネシスなどが計画され成果をあげている。