5億kmのホールインワン!火星探査機「オポチュニティー」着陸成功

【2004年1月26日 JPL News Release

昨年7月7日に打ち上げられたNASAの無人火星探査機「オポチュニティー」が、日本時間1月25日の午後2時ころ、無事火星のメリディアニ・プラナムという直径約20mのクレーターに着陸した。「5億kmのホールインワンを成功させた」と関係者の一人は語っている。

(オポチュニティーから見た火星の風景画像)

オポチュニティーから見た火星の風景画像、左にローバーのマストが見えている(提供:NASA/JPL)

オポチュニティーは、今月はじめに火星に着陸した探査機スピリットの双子の探査機である。着陸から4時間後、早速付近の画像を送信してきた。

着陸地点に選ばれた「メリディアニ・プラナム」というクレーターは、ヘマタイト(赤鉄鉱)という鉱物が豊富に存在している。ヘマタイトは、通常水の作用で作られるが、火星に見つかったものの成因については、いくつかの仮説がある。たとえば、火山性の環境によって形成されたのではないかという説や、長い時間をかけて湖によって作られたという説などだ。いずれにせよ、オポチュニティーの探査次第で、科学者たちのどの仮説が正しいのか答が出されることになる。今後、表面の層の分析や、周辺に見られる岩石の地質学的調査が進められる予定だ。

一方、数日前よりデータ送信やコマンド受信の異常を起こしていた探査車「スピリット」だが、回復の兆しを見せているようだ。技術者たちはメモリが原因であったという見方を強めており、その方向で完全復帰に全力が尽くされている。双子の探査車がともに元気で、協力して火星探査できることを祈りたい。

<参照>

<関連リンク>

<関連ニュース>