【レポート】第8回 CCDカンファレンス CANP'04(5月29, 30日、日本科学未来館)
【2004年6月2日 アストロアーツ】
5月29、30日の両日、国内の冷却 CCD ユーザーのメーリングリスト「CAN(CCD Astronomy Network)」の年次交流会である「CANP'04」が東京の日本科学未来館で開催された。
総勢57名の参加者が全国から集まり、自らの撮像スタイルの紹介から最新ハードウェアのインプレッション、遠征機材の運搬法に至るまで、幅広い話題で活発な発表・議論が行われた。
今年のCANPでは、デジタル一眼レフカメラと冷却CCDとの使い分けに関する議論や、市販のデジタルカメラの内蔵フィルタを取り外してHα領域の写りを改善する改造テクニックの紹介など、昨今のデジタル一眼レフカメラの普及ぶりを反映したトピックが目立った。
また、冷却CCDを用いた測光観測やトランジット法による系外惑星探索など、鑑賞用画像の撮像だけでないCCDの楽しみ方についても、様々な話題が盛り上がりを見せていた。
メーカー・販売店からはSBIG社のアラン・ホームズ社長と国際光器のベリー・グーリー社長が参加、コダック社の35mm判・1100万画素CCDチップを用いた新ラインナップ「STL シリーズ」の紹介などが行なわれて注目を集めていた。アストロアーツからも、4月16日に発売された統合型天体撮像ソフト「ステラギア」、および6月1日発売の移動天体検出ソフト「ステラハンター・プロフェッショナル」の紹介・実演を行った。
会場にはCANメンバーによる天体画像の作例が展示され、メンバー同士での意見交換なども活発に行われていた。
昨年から今年にかけて普及価格帯のデジタル一眼レフカメラが各社から発売され、天体撮像用デバイスとしてのデジタルカメラが天体写真界にも完全に定着した感があるが、既存の冷却CCDとデジタルカメラの特徴や違いを踏まえつつ、これらをどう使い分けながら撮像ライフを楽しむかに大きな関心が寄せられていることを実感させるミーティングであった。