天の川銀河の中心付近に1万個のブラックホール
【2005年1月20日 CHANDRA Press Room】
NASAのチャンドラX線観測衛星によって、天の川銀河の中心にある超巨大ブラックホールの周りに1万個ものブラックホ−ルが存在していることを示す証拠が得られた。
観測されたのは天の川銀河中心のSgr A*(いて座A*)周辺の領域で、3光年の範囲内に中性子星を伴った恒星サイズのブラックホールが4つ見つかった。このようにブラックホールや中性子星が集中しているのが明らかになったことから、実際には天の川銀河の中心付近には相当数のブラックホールと中性子星が存在していると推測されている。
これらのブラックホールや中性子星は、もともと銀河中心から離れて存在していたのだが、数十億年かけて現在のように中心部に移動してきたものと考えられている。そして、次の数十億年の間には、中心の超巨大ブラックホールに飲み込まれていく運命にある。チャンドラの観測結果は、われわれの銀河の中心にある超巨大ブラックホールの成長に関しても、さまざま情報を与えてくれるものとなりそうだ。