火星も一緒に楽しめる、今年のペルセウス座流星群
【2005年8月9日 Science@NASA】
今年も「3大流星群」の一つであるペルセウス座流星群のシーズンがやってきた。今年は、月明かりに邪魔されない好条件である上、2年ぶりに地球に接近する火星というおまけつきだ。観測のチャンスを逃さないよう、流星群の活動がピークを迎える8月12日の深夜から13日の未明は、カレンダーにしっかり印をつけておこう。
ペルセウス座流星群は毎年7月下旬から8月にかけて見られる。今年、その活動がピークとなるのは、8月13日未明の2時から4時。晴れさえすれば、鮮やかに夜空をかける流星を見ることができるだろう。運がよければ、火球と呼ばれる明るい流星や、突発的に数個の流星が一度に流れる様子を見ることもできるかもしれない。これらの流星をふりまく母彗星は、スイフト・タットル彗星。しかし、実際にこの彗星が地球に接近しているのではない。毎年7月から8月にかけての時期に彗星の通り道と地球の軌道とが交差するのだ。
スイフト・タットル彗星がその軌道のまわりに放出したチリの粒は、秒速60キロという速度で地球の大気中に飛び込む。どんなに小さなチリでも、これだけ速く飛び込めば、減速しながら明るい光の筋−すなわち流星−を残す。そして、彗星の軌道のまわりで、特にチリが濃い部分を地球が通るときに、流星群の出現もピークを迎える。都会の明かりを避け、光害の少ない場所に行くことができれば、一晩で百個以上の流星を見ることができるかもしれない。また、ペルセウス座流星群は、11月に出現する、しし座流星群などと比べ、寒さを気にすることもないため観測には最適だ。
さらに、今年の夜空には「火星」というおまけがある。日が昇りはじめる前の東の空、ペルセウス座のとなりのおひつじ座に火星は位置している。他の星と違ってあまりまたたかず、赤く、何より明るいその姿にくぎ付けになるはずだ。
2年ぶりに地球に接近している火星だが、地球との距離がもっとも近くなるのは、今年10月30日。8月下旬からはひときわ明るく大きく見えてくる。ペルセウス座流星群とともに、火星の姿をあなたが気に入れば、今年の秋の火星の姿は間違いなく魅力的なものであることこの上ないだろう。
ペルセウス座流星群 : 毎年活発な出現を見せてくれるペルセウス座流星群は、夏休み中の天文ファンを楽しませてくれる天文現象の一大イベントだが、この夏は上弦の半月が夜半前まであるものの、それ以後は月明かりのない状態で観測できる。ペルセウス座流星群び出現期間は長く、すでに7月下旬ころから飛び始め、8月20日ころまで続く。もちろん、ピークは8月12日から13日。明るいものの中には、痕を残すものもあり、流星自体はもちろん、どちらも見ものとなることだろう。(「AstroGuide 星空年鑑 2005」8月の星空より、一部抜粋)