「かぐや」月周回軌道に、リレー衛星も分離

【2007年10月9日 JAXA プレスリリース

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の月周回衛星「かぐや(SELENE)」は、10月4日(日本時間、以下同)に月周回軌道に投入された。さらに、子機の1つ「リレー衛星」の分離にも成功したほか、月を撮影した画像も送られてきた。


(「かぐや」が撮影した月)

「かぐや」が高度約800キロメートルから撮影した、月の北極点付近。中央右側に写っているのは、「かぐや」のハイゲインアンテナ。クリックで拡大(提供:JAXA)

「かぐや」は9月14日に打ち上げられてから、地球を回る楕円軌道を2周半した後、10月4日に月周回軌道に入った。現在の軌道は、月に近い地点で高度約100キロメートル、遠い地点で数千キロメートルの楕円軌道。ここから、遠ざかったときの高度を徐々に下げて、最終的には高度約100キロメートルの円軌道に入る。

9日午前9時36分には、子衛星である「リレー衛星」を分離した。この衛星は、月の裏側の重力場を調べるために使われる。これまで月の重力場を調べるためには、月の上空を飛ぶ衛星が発した電波をとらえ、衛星の位置が重力場からどのような影響を受けているか解析する方法が使われていた。しかし、この方法では探査機からの電波を受信できない月の裏側については、重力場を調べることができない。リレー衛星は、その名のとおり「かぐや」本体からの電波を中継することで、月の裏側の重力分布を明らかにする。

12日には、もう1つの子衛星「VRAD衛星」を分離する。19日には100キロメートルの円軌道に入り、機器の動作チェックを経て本格的な観測が始まる予定だ。

かぐや(SELENE)公式ロゴ

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(C)JAXAかぐや Campaign