「かぐや」、月レーダサウンダーが観測停止
【2008年9月29日 JAXA】
9月10日、「かぐや」に搭載されている月レーダサウンダー(LRS)が観測モードに移行できなくなる事態が発生した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は同観測機器の運用を停止し、現在原因の究明を進めている。
LRSは、光学観測など通常の観測では知ることのできない月の地下のようすを調べるための観測機器である。
電波を月の表面に送信し、地下から返ってくる反射のタイミングを測定して、表層から地下数kmまでの地層構造を調べる。観測で得られるデータは、月の起源や進化の解明に役立つ重要な手がかりとなる。
そのLRSは昨年11月、正常に動作することが確認され、観測を開始した。これまでに当初計画されていた観測のすべてを無事終了し、追加的な観測を行っていたのだが、9月10日に観測モードへの移行ができない状態となった。
JAXAは、これが一時的な現象であるかどうかを確認する目的で、9月17日と23日に調査運用を実施したが、改善が見られなかった。そのため、LRSの運用は現在停止されており、原因の究明が行われている。