ハッブル宇宙望遠鏡がデータ送信不能、修復ミッション延期へ

【2008年10月1日 NASA

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)で、地球へ科学データを送信するシステムに不具合が発生した。NASAは、HSTの修復ミッションとして10月14日に予定していたアトランティス号の打ち上げを延期すると発表した。


(アトランティス号に搭載されたHST修復関連の貨物の画像)

アトランティス号に搭載されたHST修復関連の貨物。クリックで拡大(提供:NASA/Jack Pfaller)

先週末、HSTに搭載されている科学データを送信するシステムにエラーが発生した。エラーを検出したHSTでは機器のリセットが試みられたが、失敗に終わった。また、続けて行われた試験で、地上に観測データを送信できないことが確認された。

故障を起こしたメイン・システムには、バックアップ機能を果たす予備装置が存在する。しかし、その予備装置が作動したのは、1980年後半から1990年初めに地上で行われた試験の時である。さらに厄介なことに、関連する5つの装置の取替えも必要とされている。

HSTの運用チームでは、すでに予備装置Bへの移行準備に取りかかっている。NASAは、バックアップシステムの再構成が成功すればHSTの運用再開までに時間はかからないと発表しているが、機器自体の交換を修復ミッションに組み込むことも検討している。