地球に付き従う小惑星2009 BD

【2009年1月29日 SpaceWeather.com

1月16日(世界時、以下同)に見つかった小惑星「2009 BD」は、25日ごろに地球から70万km以内に接近した。2009 BDの軌道は地球とほぼ重なっていて、今後2年程度は地球から離れずに太陽のまわりを回り続ける。


(小惑星2009 BDの軌道図)

小惑星2009 BDの軌道(右)と、1月26日の地球最接近時のクローズアップ(左)。クリックで拡大(ステラナビゲータ Ver.8で作成)

2009 BDは、直径10mほどの地球近傍小惑星である。25日には地球から70万km以内に接近したが、これは月までの距離のおよそ2倍であり、衝突の危険性はまったくない。将来も衝突する可能性はほとんどないと見られるが、2009 BDはそうした脅威とは別の意味で注目を集めている。

それは、2009 BDが地球とほぼ同じ軌道で、太陽のまわりを約1年で回っているからだ。このような小惑星は「地球共有軌道小惑星」と呼ばれている。これまでに知られている地球共有軌道小惑星としては、1999年から2006年までの7年間、「第2の月」のように地球のまわりを回って、現在は遠ざかっている2003 YN107がある。

一方2009 BDは、2010年11月まで地球から0.1天文単位(1天文単位は地球と太陽の平均距離で、約1.5億km)以内の距離を保ち、地球に付き従うように移動し続ける。このような地球共有軌道小惑星は、探査機を送り込むのが容易であることから注目されている。

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