「かぐや」、地球の「ダイヤモンドリング」を撮影
【2009年2月18日 JAXA】
月周回衛星「かぐや(SELENE)」が2月10日(日本時間、以下同様)に半影月食時の地球を撮影し、地球のダイヤモンドリングが見られる瞬間をとらえることに成功した。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と日本放送協会(NHK)は、2月10日に「かぐや」による「半影月食」時の地球の撮影を行った。
半影月食とは、太陽、地球、月がほぼ一直線に並び、月が地球の半影に入る(月から見て太陽が地球により一部隠されて(部分食となって)見える)現象である。「かぐや」が月食に遭遇するのは、最大で年に2度程である。
「かぐや」は、NHKが開発した宇宙仕様のハイビジョンカメラ(HDTV)を使って、「かぐや」から見た地球が太陽の大部分を覆い隠してダイヤモンドリングが見られるようすを動画に収めた。この現象が月から撮影されたのは、世界初のことである。
太陽の光は地球の大気によって散乱を起こし、太陽光の一部が地球の縁を回り込むようにして月に到達する。月から見た地球の大気は青く、リング状に光っているように見える。これは、太陽光の散乱が、青い色の光で起きやすいためだと考えられている。