銀河ごとの星形成の活発さは両極端
【2011年6月30日 イェール大学】
近傍から遠方までさまざまな距離にある銀河の星形成の活発度を調べたところ、距離に関わらず、銀河は星形成を活発に行っているか、ほとんど全く行っていないかのどちらかであることがわかった。近傍の銀河で星形成の活発度が両極端であることは既にわかっていたが、遠方でも同様であることがわかったのは初めてだ。
新しい星の形成が行われている度合いで銀河を分類すると、とても活発に星形成が行われている銀河とほとんど全く星形成が行われていない銀河のどちらかであることが、近傍の銀河の観測から知られている。しかし宇宙の歴史の中でいつからこの状態になっているのはよくわかっていなかった。
イェール大学のKate Whitaker氏らが、米・アリゾナ州のキットピーク天文台にある口径4mの望遠鏡を用いて、近傍のものから120億光年離れたものまで計4万個の銀河について星形成の活発度を調べた。星形成が活発に行われている銀河は若い星が多いため色が青っぽく、星形成が行われていない銀河では赤っぽくなることを利用したのである。
その結果、どの距離でも星形成が非常に活発であるか、あるいはほとんど全く行われていないかのどちらかであり、その中間のような銀河はそれほど見つからなかった。つまり、銀河の星形成が活発である状態からほとんど行われなくなるまでの間が非常に短いことを意味している。
また、それぞれの数を調べると、星形成を行わなくなった銀河よりも星形成を活発に行っている銀河の方が多かった。銀河は初め星形成を活発に行い、その後は星形成を行わなくなるという、現在考えられている理論とよく合っている。
ほとんど星形成が行われていない銀河では全く星が形成されていないのか、そこにはまだ議論の余地はあるが、今回の観測によれば星形成が活発な銀河とほとんど行われていないものでは50倍以上も星形成率が異なっていることがわかった。
一度活動をやめた銀河はもう二度と起きることがないのか、それとも再び目覚めて星形成を活発に行うことがあるのかについては、よくわかっていない。同研究チームのPieter van Dokkum氏は、銀河はどのくらいの時間「起きて」いるのか、次はこの点について調べてみたいと語っている。