火星探査車キュリオシティ、フォボスがダイモスを隠す食現象を観測

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【2013年8月19日 NASA

探査車「キュリオシティ」が、火星の衛星フォボスがもうひとつの衛星ダイモスを隠す食現象のようすをとらえた。


火星の衛星、フォボスとダイモス

火星の衛星、フォボス(大きいほう)とダイモス。リリース元で食のようすを動画で見ることができる(提供:NASA/JPL-Caltech/Malin Space Science Systems/Texas A&M Univ. )

火星の2つの衛星、フォボスとダイモスが重なって見える「食現象」の経過を、NASAの探査車「キュリオシティ」が撮影した。火星地表からこの現象がとらえられたのは初めてだ。

8月1日に起こったこの現象はフォボスがダイモスの手前を通過したもので、1分足らずの間に撮影された41枚の画像をつなげた動画として公開されている。フォボスはもっとも長い部分が約27kmしかないが、撮影時のキュリオシティからの距離は6240kmと近いため、地球から見た月の半分ほどの大きさに見える。ダイモスは十数kmとさらに小さく、2万km以上の距離にあった。

現在、フォボスは火星にわずかずつ近づいており、一方のダイモスはだんだん遠ざかっているかもしれない。研究者らは、今回のような観測から衛星の軌道の精度を上げ、フォボスが火星地表に及ぼす潮汐力やフォボス内部の密度ムラ、ダイモスの軌道が変化しているかどうかなどを調査することを最終目標としている。