天体等の表示
Q:[星雲・星団]-[PGC]で表示される銀河の画像が実際の銀河の姿と異なる
A:この機能で表示される銀河の画像は模式的なイメージであり、実際の銀河の形状や傾きとは異なります。実際の銀河の形状を表示したい場合には[天体]-[DSS 画像取得]をご利用ください。
Q:[星雲・星団]-[PGC]で表示される銀河の位置や天体情報パレットのデータが星雲星団マークの位置やデータと異なっている
A:PGC の銀河と従来の星雲星団マークとでは、データの出典(カタログ)が異なっているために座標や等級の値が一致しない場合があります。
Q:海王星の衛星トリトンなどのテクスチャ画像が一部欠けている
A:トリトンのように全球の観測データが存在しない衛星につきましては、観測データが存在する領域のテクスチャ画像のみが描画される仕様となっております。
また、冥王星やその衛星カロンなどのように詳しい表面画像が全く存在しない天体につきましては、架空のテクスチャ画像を共通で表示する仕様となっております。
Q:天体をクリックしても天体情報パレットが開かなくなった
A:ステラナビゲータではパソコン画面内での天体情報パレットの表示位置を常に保存していますが、何らかの原因でパソコンの画面外の位置座標が保存されてしまうと、天体情報パレットが表示されなくなるように見える場合があります。
このような場合には以下の手順で天体情報パレットを画面内に引き戻してみて下さい。
- ステラナビゲータを起動し、太陽や星など適当な天体をクリックします。
- クリックすると、ステラナビゲータ本体のウィンドウのタイトルバーが薄い色(「非アクティブ」の状態)に変わります。
- この状態で、パソコンのキーボードの[Alt]キーを押しっぱなしにしながら同時にスペースキーを1回押し、[Alt]キーを離します。続いて M のキーを1回押します。
- 次に、キーボードの矢印キーを上下左右適当な方向にしばらく押し続けます。
Q:ステラナビゲータの惑星の位置精度はどのくらいか?
A:ステラナビゲータの内部で計算される惑星の位置は、西暦2000±500年の範囲については摂動を考慮した計算で求められています。この範囲内では、地球から見た各惑星の位置は NASA/JPL の天体暦 DE405,406 と比較して位置座標の誤差が1秒以内に収まっています。
上記以外の日時範囲ではこれよりも精度を落とした計算を行っていますが、歴史上記録が残っている時代に起きた日食等の天文現象を正確に再現できる程度には十分な計算精度を持っています。有史時代を超える数万年スケールの過去や未来の惑星位置については未検証です。
Q:西暦1582年10月4日の翌日が10月15日に飛んでいる
A:ステラナビゲータでは1582年10月15日を境にしてユリウス暦とグレゴリオ暦を切り替えているため、1582年10月4日の翌日が10月15日となります。
「ユリウス暦」と「グレゴリオ暦」についての詳細はアストロアーツサイト内「星空ガイド」の「天文の基礎知識」コーナーにも掲載されています。
Q:日時を数千年前(後)に設定した場合の天体位置の精度はどのくらいか?
A:遠い過去や未来における天体位置の精度に影響を及ぼす要因としては、歳差運動、固有運動、極運動、地球自転の減速などが考えられます。
ステラナビゲータ Ver.8 ではこれらの要素については以下のような扱いとなっております。
- (1)歳差運動
- ステラナビゲータ Ver.8 では、(A.D.2000±3000年)程度の範囲については Newcomb の方法によって歳差を計算します。この方法の誤差の大きさは未検証ですが、およそ角度の分程度の精度はあるものと思われます。
- (2)固有運動
- ステラナビゲータ Ver.8 では Hipparcos 星表をベースにした基本恒星データを用いています。この Hipparcos 星表は固有運動の視線方向成分のデータを持たないため、固有運動については横断速度成分のみでの単純な計算にとどまっています。しかし ±3000 年程度であれば、太陽近傍のわずかな星を除いて誤差は無視できる範囲であると思われます。
- (3)極運動
- ステラナビゲータ Ver.8 の天体位置には極運動は考慮されておりません。
- (4)地球自転の変動
- ステラナビゲータ Ver.8 では、地球の自転速度の変動による時刻の変化ΔT(DT-UT)については、西暦1681年以降については推定値もしくは実測値を使用しており、西暦1681年以前は-13.5秒程度の固定値を用いています。未来については現在のΔTの値をそのまま用いています。
なお、太陽系天体につきましては「よくある質問と回答」の「Q:ステラナビゲータの惑星の位置精度はどのくらいか?」を参照してください。
Q:「卑弥呼日食」のシミュレーション結果が、テレビ番組や本で紹介されていたものと違う
A:これは当時の「地球の自転速度」が正確にはわかっていないため、それぞれ異なる自転速度を仮定して計算しているためです。
西暦248年に起きたといわれる、いわゆる「卑弥呼日食」は、ステラナビゲータのメニュー「お気に入り」→「歴史上の天文現象」→「部分日食『卑弥呼日食』」から再現できます。
テレビ番組や本で紹介されている「卑弥呼日食」と同じ時刻・場所をステラナビゲータに設定した場合でも、日食の時刻や太陽の欠け方が番組や本の結果と異なる場合があります。これは、番組や本での計算とステラナビゲータ Ver.8 内部での計算とで、大昔の「地球の自転速度」に異なる値を採用しているために起きるものです。
私たちが日常使っている時刻系(世界時)は、生活に密接な昼夜のリズムに合わせるため、常に地球の自転に同期していますが、実際の地球の自転速度は一定ではなく、時代とともに早くなったり遅くなったりします。
したがって、過去の日食が起きる時刻を正確に計算するためには、その当時の地球がどのくらいの速さで自転していたかを知る必要があります。
天文計算では、この「地球の自転速度の変化」を表す値として、
- 地球時(常に一様に進む時刻系。力学時とも呼ばれます)
と
- 世界時(私たちが日常使う時刻系。地球の自転に合わせているため変動する)
の差が何秒あるか、という値を使い、これを「Δ(デルタ)T」と呼んでいます。
しかし、ΔT の値が実際の観測などによって明らかになっているのは過去400年間分程度にすぎません。それより昔の日食についてシミュレーションする際には、当時の ΔT が何秒だったかを「仮定」する必要があります。
ステラナビゲータでは、西暦1681年より以前については便宜的に1681年時点での「ΔT = -13.5秒」という値を使って計算を行う仕様になっているため、これと異なる ΔT の値を仮定した計算とは結果が異なります。
最近の研究では、西暦250年頃の実際の ΔT は5000〜15000秒くらいと見積もられていますので、ステラナビゲータ Ver.8 の結果は食の時刻に±数時間、皆既帯の経度にして数十度の誤差を含むものと思われます。
卑弥呼日食については「星ナビ」2001年6月号でも特集しています(バックナンバーもお求めになれます)。
Q:標高の高い観測地での大気差は正しく考慮されているか?
A:ステラナビゲータ Ver.8 では、大気差の計算は標高0mから見たときの値を常に用いる仕様となっています。従って、観測地を高山の山頂などに設定した場合、地平線付近の大気差の大きさは実際の値と比べるとわずかにずれが生じます。
Q:限界等級を暗くしていくと暗い恒星の表示数が頭打ちになる
A:ステラナビゲータ Ver.8 では、[恒星]ダイアログやステラパッドで限界等級をそれぞれ、
- GSC-ACT: 17.2等
- Tycho-2: 15.3等
- Tycho: 15.2等
まで設定することができますが、実際には GSC-ACT を使用した場合には約14等、Tycho-2 を使用した場合には約11等で暗い星の表示数は頭打ちになります。これはそれぞれの恒星カタログに収録されている恒星の数自体が、この付近の等級を境にして減っているためです。
Q:特定の赤経・赤緯の位置を画面の中央に表示させるには?
A:以下の手順で特定の座標を画面中央に表示させることができます。
- [ツール]メニューの[名前で検索...]を開きます。
- [分類:]で「座標指定」を選びます。
- [座標系:]にお好きな座標系を選択し、[座標:]の欄に目的の座標値を入力します。
- [OK]ボタンで[名前で検索]ダイアログを閉じます。
Q:ある期間内の新月や満月の時刻をすべて求めたい
A:任意の期間内に起きる満月(望)や新月(朔)の時刻をすべて正確に求める機能は、残念ながらステラナビゲータにはございません。
Q:昼間の空の中に小さな黒い四角形があり、拡大すると星空の画像になっている
A:これは以前にダウンロードした DSS 画像が天球上に表示されているものです。
ステラナビゲータでは、[天体]-[DSS 画像取得...]で一度ダウンロードしたDSS 画像は、ソフトの再起動後も常に天球上に貼り付いた状態で表示するようになっています。
これらの画像を消したい場合には、[天体]-[DSS 画像管理...]を開いていただきますと、これまでに取得した DSS 画像の一覧が表示されますので、[すべて非表示]というボタンをクリックしていただければ画面に表示されなくなります。
なお、上記の操作で非表示にした場合でも画像ファイル自体はまだ PC の中に残っていますので、[すべて表示]で再び表示させることができます。画像を完全に PC から削除する場合には、同じ[DSS 画像管理]ウィンドウにある[すべて削除]のボタンをクリックして下さい。
Q:恒星の星像として「KAGAYA ファンタジー」を選んでも KAGAYA ファンタジーの星像にならない
A:この問題につきましては Ver.8.1a 以降で修正されております。
Q:彗星・小惑星などの太陽系移動天体の移動方向と移動量の表示がおかしい
A:この問題につきましては Ver.8.1a 以降で修正されております。
Q:彗星の[軌道要素編集]ダイアログで[追加]ボタンを押すとアプリケーションが強制終了してしまう
A:この問題につきましては Ver.8.1a 以降で修正されております。
Q:[前回の終了時の設定で起動]にすると終了時と異なる速度でアニメーションが動いてしまう
A:この問題につきましては Ver.8.1a 以降で修正されております。
Q:地平座標で南が「方位角0度」になっているのはなぜ?
A:ステラナビゲータでは地平座標の方位角 (azimuth) を表す際に、初期状態では南を「0度」としています。
地平座標の方位角の原点については北を0度とする場合と南を0度とする場合があり、天文計算の文献などでも両方のケースがあります。
南を0度とする流儀は、天体の「時角」が南側の子午線から測るように定義されていることから、これとの整合性を考慮して用いられてきたようですが、現在では北を0度とする場合も多くなっています。
ステラナビゲータ Ver.8 では、[ツール]-[天体情報パレット設定...]の[[表示オプション:]で「方位を南を0度にして表示」のチェックをオフにしていただければ、北を0度として表示することができます(ただし画面下部のステータスバーに出る方位は常に南が0度となります)。