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木星に新しい赤斑現る!

太陽系最大の惑星、木星の表面で今、大きな変化が起きています。木星の特徴といえば縞模様、そして地球の二倍ものサイズを持つ斑点、「大赤斑」ですが、今、新たな斑点が登場して注目を集めています。大赤斑の半分ほどのサイズで、同じ色をした「中赤斑」です。

大赤斑と中赤斑

大赤斑(右)と中赤斑(左下)の写真
NASA,ESA, I. de Pater, and M. Wong (UC Berkeley))

中赤斑と大赤斑が大接近中!

現在、中赤斑と大赤斑が並んでいます。衝突こそしないものの、中赤斑が大赤斑の南側をこするようにして通ることになりそうです。両者が南北に並ぶのは、7月15日から20日の間。合体することはないそうですが、今後2つの赤斑にどんな影響があるのか、興味をひかれるところです。

詳しくは、関連ニュースをご覧ください。

中赤斑はどうしてできたの?

「中赤斑」は元々「白斑BA」と呼ばれていたように、赤ではなくて白い斑でした。白斑BAは、3つの小さな白斑が2000年に合体して誕生し、2005年12月頃から急に色が赤くなってきたようです。

中赤斑がどうして赤いのかを知るのは、「先輩」の大赤斑がどうして赤いのかを知るのと同じことでしょう。実は、大赤斑についてもまだ謎が多いのです。今のところ、大赤斑が巨大な台風のような存在で、赤い色をしているのは巻き上げられた物質が太陽光線との光化学反応で赤い色に変色しているからだということです。

中赤斑について知れば知るほど、意外と謎の多い木星についてもそれだけ知ることができるのです。その意味では、中赤斑から当分目が離せないことでしょう。

さらに中赤斑について知るには

星ナビ7月号表紙

月刊星ナビ7月号は木星特集!

これまでの観測の歴史や、最新の研究成果を紹介して、中赤斑と大赤斑の謎に迫ります。


木星の大赤斑や中赤斑に関するニュース一覧

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中赤斑を見ることはできる?

中赤斑を実際に観測するには、口径20cm以上の望遠鏡、良好なシーイングなどの条件が必要で、残念ながら誰でも見ることができるわけではありません。ある程度観測に慣れた方は挑戦してみるのもよいでしょう。一方、大赤斑や主な縞模様は口径5cmからでも簡単に見ることができるので、初心者の方には大変オススメです。また、木星には「ガリレオ衛星」と呼ばれる明るい衛星が4つあり、こちらも小型望遠鏡で楽しむのに向いています。

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2006年 木星投稿画像ギャラリー
みなさまから投稿いただいた、木星の写真を掲載しています。もちろん、中赤斑を収めた写真もあります。