研究体験の高校生グループ、新たな電波星を発見
【2019年8月30日 国立天文台水沢】
国立天文台では2005年から、高校生を対象として天文学研究体験「美ら星研究体験隊(ちゅらぼしけんきゅうたいけんたい)」を開催している。参加者は観測やデータの解析を行うことで、天文学者と同じ研究を体験し、世界最先端の科学を身近なものに感じることができる。
今年は7月31日から8月2日まで、VERA石垣島観測局にある口径20m電波望遠鏡と石垣島天文台にある可視光線帯の口径105cmむりかぶし望遠鏡を用いて活動が行われ、石垣島、沖縄本島および東京都、広島県、熊本県から計19名の高校生が参加した。
このうちVERAによる電波観測を行った9名のグループが、変光星「やぎ座RR星」から強い電波が放射されていることを発見した。これは水メーザーと呼ばれる、星周囲にある水分子を含む高温ガスからの電波放射で、この恒星が電波星の一つであることを新たに見出した成果となる。美ら星研究体験隊での新しい電波星の発見・確認は8例目だ。
今回の成果は単なる研究体験だけにとどまらず、今後のVERAなどを用いた精密観測を通して、天の川銀河の構造や星の一生について理解を深め、天文学の発展に貢献することが可能になるという意義がある。
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