3月の極大に向かって増光中、変光星しし座R

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ミラ型変光星のしし座Rが3月の極大に向かって急速に明るさを増している。この機会にミラ型変光星の光度変化を楽しもう。

【2024年1月18日 高橋進さん】

長周期変光星の代表とも言えるミラ型変光星は初心者にも観測しやすい天体です。なかでも、小望遠鏡でも観測でき、光度変化がわかりやすいしし座Rが、3月の極大に向かってどんどん明るさを増してきています。

しし座Rはしし座の前足のすぐ北にある比較的明るいミラ型変光星で、およそ312日の周期で変光を繰り返します。変光範囲は約10等から5等とされていますが、この範囲は5年または10年ほどの大きな周期で変動するようです。2023年の極大は6.2等でした。今回の極大も6等程度となる可能性が高そうです。

しし座Rの10年間の光度
しし座Rの10年間の光度(VSOLJのデータベースから高橋さん作成、以下同)

しし座Rは昨年10月下旬に10.5等の極小となりました。その後ゆっくりと明るさを増していき、12月下旬には9等を超えました。今年1月初旬の増光速度はおよそ2日に0.1等と、急速に明るくなっています。深夜には見やすい高さになることもあり、観測に好適な時期になってきています。昨年の極大が5月7日ごろだったことから、周期312日とすると今年の極大は3月中旬ごろと予想されていました。ただ、2023年の極小(10月28日ごろ)が予想より10日ほど早かったことを考慮すると、今回の極大も予想より早い2月末ごろになるかもしれません。

しし座Rの最近の光度
しし座Rの最近の光度

しし座Rを見つけるには、しし座α星レグルス(1.4等)からライオンの前足にあたるο星スブラ(3.5等)をたどり、その北東に数度離れたところにある2つの6等星が目印になります。並んだ6等星のすぐ南の、赤い星がしし座Rです。これから極大期になると、3つの星が輝く特徴的な星の並びが楽しめます。双眼鏡でも楽しく観測できますので、ぜひ皆さんご覧ください。

しし座R周辺の星図
しし座R周辺の星図。数字は恒星の等級(64=6.4等)を表す(「ステラナビゲータ」で星図作成)

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