準惑星マケマケに衛星を発見

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ハッブル宇宙望遠鏡による観測から、準惑星マケマケに衛星が見つかった。

【2016年4月27日 HubbleSite

マケマケは太陽から約70億km離れたところを公転している、太陽系外縁天体の一つだ。2005年に発見され、2008年に名前と、当時4つ目となる準惑星に分類されることが発表された。マケマケという名前は、南太平洋のラパ・ヌイ島(イースター島)にまつわる神話に出てくる、人間を創造し豊穣をつかさどる神に由来する。

昨年4月にハッブル宇宙望遠鏡(HST)がマケマケを観測した画像に、暗い天体がとらえられていた。動きがマケマケと一致していることなどから、この天体はマケマケの衛星とみられている。仮符号「S/2015 (136472) 1」、愛称「MK 2」と名付けられた衛星は、マケマケから約2万1000km離れたところにあり、直径は160km(マケマケは1400km)、明るさはマケマケの1300分の1ほどだ。

マケマケの衛星MK 2
マケマケの衛星「MK 2」(矢印の先)(提供:NASA, ESA, A. Parker and M. Buie (Southwest Research Institute), W. Grundy (Lowell Observatory), and K. Noll (NASA GSFC))

今回の発見で、5つの準惑星のうち太陽系外縁部に存在する4つ(冥王星、エリス、マケマケ、ハウメア)に衛星が存在していることが明らかになった。残る1つの、小惑星帯にあるケレスには、今のところ衛星は見つかっていない。

MK 2の軌道は正確にはわかっていないが、円軌道であると仮定すると公転周期は12日以上となる。軌道の形を決定することは、衛星の起源に関する疑問解決の手助けになる。もし軌道が円形なら、MK 2はおそらくマケマケと別の太陽系外縁天体との衝突で誕生したものであり、楕円軌道の場合はMK 2は外から取り込まれた可能性が高い。

また、MK 2の軌道からマケマケ系全体の質量を計算できる。質量と大きさからマケマケの密度を見積もれば、冥王星とマケマケの類似性についても調べられる。どちらも凍ったメタンで覆われている準惑星だが、全体的な組成も似ているかどうかが確かめられるのだ。「今回の発見によって、太陽系外縁部における比較惑星学という新たな章への扉が開かれました」(米・サウスウエスト研究所 Marc Buieさん)。

2016年4月27日のマケマケの位置
2016年4月27日のマケマケの位置。春の大三角の北、かみのけ座の領域にある。明るさは約17等。クリックで星図拡大(ステラナビゲータで星図作成、以下同)

2016年4月27日の準惑星の位置(太陽系)
2016年4月27日の太陽系内における準惑星の位置(ケレスの名称は略)。この日、地球からマケマケまでは約77億km離れている。クリックで星図拡大