板垣さん、へびつかい座に新星を発見

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山形県の板垣公一さんが5月8日、へびつかい座に約14等級の新星を発見した。

【2017年5月15日 VSOLJニュースCBAT

著者:前原裕之さん(国立天文台)

5月になり今年初の真夏日を記録する地域も出てきましたが、星空のほうも深夜から明け方にかけて夏の星座が見られるようになってきました。空の暗い場所で、かつ月明かりがなければ、午前1~2時くらいには南東の空に私たちの天の川銀河の中心方向が見えるようになります。

天の川の近くに位置する星座の一つ、へびつかい座の中に新星が発見されました。新星を発見したのは山形県の板垣公一(いたがきこういち)さんです。

板垣さんは5月8.638日(世界時、以下同様、日本時間9日3時ごろ)に口径20cmの望遠鏡とCCDカメラで撮影した画像から13.6等の新天体を発見しました。この天体は千葉県の清田誠一郎さんや山口県の吉本勝己さんらによって確認観測が行われ、この天体が極めて赤い色をしていることがわかりました。板垣さんの観測によるこの新星の位置は以下のとおりです。

赤経  17h39m46.08s
赤緯 -24°57′55.5″ (2000年分点)

へびつかい座の新星
へびつかい座の新星の発見画像(撮影:板垣さん)

この天体の分光観測は5月11.15日にスペイン・カナリア諸島にあるリバプール・ジョン・ムーア大学の2m望遠鏡で行われました。天体のスペクトルには強いHα輝線の他、中性酸素や1階電離した鉄などの輝線が見られ、スペクトルの特徴からこの天体が古典新星であることが判明しました。

へびつかい座の新星の位置
へびつかい座の新星の位置。クリックで拡大(「ステラナビゲータ」で表示)

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