串田さん、14個目の超新星を発見
【2004年5月26日 国立天文台 アストロ・トピックス(17) / VSOLJニュース(126)】
(国立天文台 アストロ・トピックス)
アマチュア天文家、山梨県八ケ岳南麓天文台の串田麗樹(くしだれいき)さんが、5月25日に、やぎ座の顔の右近くにある、NGC 6907に超新星を発見しました。これは口径40センチメートルの反射望遠鏡とCCDカメラによる発見です。洲本市の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合へ報告され、超新星2004bvと名前が付けられました。
八ケ岳南麓天文台の串田嘉男(くしだよしお)さんが測定された位置は、次のとおりです。銀河の中心から西へ3.8秒角、南へ20.7秒角ほどのところにあります。発見時の超新星は15.6等級の明るさでした。
赤経 20時25分06.34秒 赤緯 -24度48分53.7 秒 (2000年分点) NGC 6907周辺の星図
今後、分光観測による超新星のタイプの決定や光度変化の追跡が待たれます。
この超新星は、独立発見を含めると、串田麗樹さんが発見した14個目のもので、2004年1月にNGC 5668銀河に出現したSN 2004G以来(天文ニュース 696)のことになります。
(VSOLJニュース)
山梨県の串田麗樹さんは、超新星1991bgを皮切りに、これまで多数の超新星を発見されてきたヴェテラン超新星ハンターです。彼女は、5月24.70日(世界時、以下同様)に撮影した画像から、15.6等の新たな超新星を発見、超新星2004bvと命名を受けました。
新天体の座標は、次のとおりです(上と同じなので省略)。やぎ座の棒渦巻銀河NGC 6907の中心核から西に4秒、北に21秒ほどの位置にあります。東側の腕に重なるように伴銀河NGC 6908があって、相互作用をしているものと考えられます。
この銀河には、超新星1984Vも出現しており、15等で観測されています。銀河の後退速度から推定すると、母銀河内で星間吸収を受けなければ、典型的なIa型超新星の極大予想光度は14.9等ほどになります。串田さんの発見の翌25.77日には、この超新星は15.3等と明るくなっていました。今後の光度変化と分光タイプ分類が楽しみです。