ハッブル宇宙望遠鏡などの観測で明らかになった、らせん状星雲の真の姿

【2005年1月21日 HubbleSite Newscenter

ハッブル宇宙望遠鏡などによるらせん状星雲の観測結果から、この星雲のドーナツ型が、実は2つのガス円盤からできているらしいことが明らかにされた。

(らせん状星雲の画像と、観測データをもとにしたらせん状星雲のモデル図)

(上)らせん状星雲NGC 7293、(下)観測データをもとにした、らせん状星雲のモデル図。クリックで拡大(提供:NASA, ESA、C.R. D'Dell(Vanderbilt University), and M. Meixner, P.McCullough, and G. Bacon(Space Telescope Science Instittute))

らせん状星雲NGC 7293は、690光年離れたみずがめ座の方向にある惑星状星雲だ。太陽のような星が死を迎えた際に放出したガスの外層が光って見えている天体である。複数の望遠鏡による観測結果から得られたデータをもとに、横から見たらせん状星雲を3次元像に表したモデル図では、2つの円盤がほぼ垂直に交わっているようすが描かれている。

このような複雑な形状が作られた過程ははっきりとは分かっていないが、死にゆく星が伴星を持っていたというシナリオが考えられている。一方のガス円盤は死につつある星の自転に垂直で、もう一方は2つの星の公転面に沿っているというのだ。また、内側の円盤はおよそ6600年前に、外側はおよそ12000年前に形成されたらしいとも考えられている。