国立天文台のALMA(アルマ)計画の近況
【2005年12月2日 国立天文台 アストロ・トピックス(165)】
国立天文台のALMA(アルマ)計画に関心をお持ちの皆さま
日本はそろそろ晩秋でしょうか。チリでは大統領選挙と上下両院選挙を12月11日に控え、いつもに増して暑い夏が始まろうとしています。適宜更新する予定ですので、最新情報については ALMAのホームページ: http://www.nro.nao.ac.jp/alma/をご覧下さい。
<近況報告>
文部科学省からALMA計画の推進に関して来年度分として29億2400万円が要求されました。これに対して今年も例年と同様に総合科学技術会議による評価が行われ、ALMA計画の評価は例年通りS-A-B-CのうちのAランク(重要な施策等であり、着実に実施すべきもの)として位置づけられています。
国内での機器の開発も着々と進められています。組織関連で言えば8月1日に天文機器開発実験センターとALMAの受信機開発グループを統合して先端技術センターが発足しました。当面の戦略的開発研究テーマはALMAの超伝導SIS素子および受信機の開発で、ALMA推進室と密接に連携し全力でALMAの開発を推進します。また、日本が担当するアタカマコンパクトアレイ(ACA)システムの予備設計の国際審査会が11月10日から11日にかけて三鷹で行われ、欧米から招聘した外部審査委員から非常に高く評価されました。一方、評価を終えた日本の試作アンテナの撤収作業がアメリカ・ニューメキシコ州のALMA試験施設(ATF)で始まりました。前回ご案内したバーチャルツアーのチリコースに加えてATFコースも新たに追加されましたのでどうぞお立ち寄りください。
チリではいよいよ山頂施設の工事も始まりました。山麓施設の工事も引き続き進められています。
国際的にも大きな動きがありました。9月8日には自然科学研究機構と台湾の中央研究院の間(実施機関:国立天文台と天文及天文物理研究所)でALMA建設時における協力に関する協定の調印式が行われ、台湾も日本との協力の枠組みでALMAに参加することになりました。
さらに、計画のちょっとした進捗や日常の光景など、肩のこらない話題について気軽かつ迅速にお伝えするために、このニュースレターに加えて密かに写真ニュースを不定期ながら頻繁にホームページ上で発行してきました。バックナンバーがかなり充実してきましたのでここで改めてその存在についてお知らせしておきます。
ALMAの完成とそれを用いた研究の早期実現に向けて、引き続き皆様のご支援をお願いいたします。