若田さんの宇宙滞在、1か月延長
【2009年6月22日 JAXA】
スペースシャトル「エンデバー号」の打ち上げ延期に伴い、国際宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士 若田光一さんの帰還が約1ヶ月遅れることとなった。若田さんは、引き続き任務に従事できることを幸運に感じるとのメッセージを寄せている。
3月18日より国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している宇宙飛行士の若田光一さんは、米国東部夏時間(以下同様)13日に打ち上げが予定されていたスペースシャトル「エンデバー号」(2J/A(STS-127)ミッション)で、地球に帰還する予定だった。
しかし、エンデバー号に燃料水素を充填するパイプでガス漏れが見つかり、打ち上げは17日に変更された。さらに、その後の作業で同じ個所にガス漏れが認められたため、打ち上げは7月11日まで延期されることとなった。
このため若田さんの地球への帰還も約1ヶ月遅れることとなったが、若田さんは宇宙航空研究開発機構(JAXA)を通じて前向きなメッセージを表明している。
《宇宙からの帰還の延期について》
スペースシャトル・エンデバー号によるSTS-127の打上げが延期となり、私の地球への帰還も約1ヶ月先送りになりました。多くの皆さんから激励のメッセージを戴きましたことに対し、この場をお借りして心からお礼申し上げます。
ISSには、には食糧や水などの必要物資も十分にあり、軌道上の6人のクルーの士気も高く維持されています。
STS-127の打上げ延期に伴いISSでの作業スケジュールも変更され、私も環境制御システムや運動器具のメンテナンス、宇宙での心肺機能の変化に関する研究の被験者としての参加などの作業を早速行っています。帰還までの間、「きぼう」を利用した仕事にさらに従事できることをとても幸運に感じています。
また、ロシアのプログレス貨物輸送船のISSからの離脱やソユーズ宇宙船のドッキング位置の変更などの作業に向けた準備も始まっており、スペースシャトル・エンデバー号が到着するまでの期間も慌しい毎日が続きそうです。
STS-127での「きぼう」組立てミッションに向けて最終準備を行ってきましたので、その打上げが遅れたことは残念ですが、与えられた軌道上での時間を有効に使い、更に充実したISSでのシステムおよび実験運用と「きぼう」の最終組立てに気を引き締めて取り組みたいと思います。
2009年6月19日(金)ロシア上空にて
第20次ISS長期滞在クルー・フライトエンジニア JAXA宇宙飛行士 若田光一