オリジナル解説で熱戦! 第6回プラネタリウム解説コンクール レポート
【2011年9月28日 アストロアーツ】
東日本大震災の影響で延期となっていた第6回プラネタリウム解説コンクールが、9月18日に三重県で開催された。作品アイディア・解説スキルともに高レベルの熱戦の末、4賞が選ばれた。
毎年恒例の「MAPみえこどもの城・プラネタリウム解説コンクール」が、連休中の9月18日に開催された。本来であれば今年3月20日に開催される予定だったが、東日本大震災の発生により延期されていたものだ。
第6回大会では、予選通過者のうち都合により出場できなかった2組を除き、かたりべ部門3組、解説部門4組が出場した。かたりべ部門、解説部門とも、審査員泣かせのハイレベルな決戦となり、以下の受賞者が選ばれた。
- かたりべ部門 最優秀賞『ぼくとらいおんがーる』 (岡田修平さん、鈴木克俊さん)
- 同じ天文部の彼女からもらった暗号を解くために春の星空を見るという設定で、星座の解説と暗号解読が展開していくストーリーだ。二人は高校時代に同じ天文部に所属し、社会人になってからのコンクール挑戦。鈴木さんがストーリーを考え、岡田さんが語りを担当した。本選リハーサルでも規定時間を超えてしまい、ほぼ徹夜で時間をカットしたとのこと。「ぼく」と彼女の展開が気になってしまうようなストーリー展開のうまさが際立っていた。
- かたりべ部門 優秀賞『春の女神』 (井上真衣さん)
- 理科の成績が振るわない少年が、ふとしたことから不思議な女性と出会い、星空を見上げながら宇宙と自分のつながりを知っていくという、一人二役の演出。久しぶりに訪れたこどもの城のプラネタリウムで見かけたコンクールのポスターを見て出場を思い立ったという。地元松坂で塾の講師をしていているが、宇宙に興味を持たない学童もいるのでそのことを念頭においてのストーリー作りだったという。
- 解説部門 最優秀賞『星と音 宇宙はオーケストラ』 (佐野このみさん)
- 中学3年生とは思えないしっかりした語りと、星の並びを音符にみたてて、星座をメロディーで表すという奇抜なアイデアで、最優秀賞を勝ち取った。山梨県立科学館のヘリオスの最終投影実演に参加したところ、解説員にコンクールを勧められての出場だという。小学校の時からピアノを習い今は琴を演奏しているという音楽少女ならではの解説だ。なお、この作品は「ステラナビゲータ」の収録番組として公開する予定だ。
- 解説部門 優秀賞『私たちとお月様』 (鈴木文香さん)
- 今回の解説部門の設定である3月20日は、満月の夜。そこで月にテーマをしぼり、民俗学的なテーマや実際に見える大きさなど、月の存在感を伝える解説だ。高校3年生ということで思うように練習ができず、9月に猛練習をしてまとめたという。安定した話し方やポインタの使い方が見事だった。