太陽系以外で初めてとらえられた彗星衝突
【2012年7月27日 Phys.Org】
太陽系以外の場所で初めて彗星衝突の痕跡が見つかった。若い太陽系で起こっていたような彗星の集中砲撃が、からす座η星の周りでは今でも起こっているかもしれない。
からす座η星を分光観測した NASAの赤外線天文衛星「スピッツァー」が、その周囲に水の氷や有機物、岩石が存在することを示す証拠を見つけた。これらは彗星の主な構成物質だ。今回の発見は、からす座η星の近傍で最近、彗星が原始惑星などの岩石体と衝突し引き裂かれたことを示唆している。
このような彗星の襲撃が太陽以外の星の周りで見つかったのは今回が初めてだ。からす座η星は形成から約10億年経っていると見積もられている。太陽がほぼ同年齢のころにも、「後期重爆撃期」と呼ばれる同様の時期(年齢6億年から8億年)があった。
太陽系の後期重爆撃期は、外惑星の軌道移動によって彗星が太陽系の内側に飛ばされ引き起こされたと考えられている。内側に入ってきた彗星は月や内惑星を襲い、クレーターを作ったと思われる。その中には、地球に生命の起源となる物質を運んでくれたものがあったのかもしれない。
(※注:ニュース公開後、初出が昨年10月だったことに気づきましたが、当時取り上げていませんでしたので、そのまま公開とします)