太陽最接近まであと100日 明け方の空にアイソン彗星再登場
【2013年8月21日 アストロアーツ】
しばらくの間太陽の向こうにあって見えなかったアイソン彗星が、明け方の空にふたたび姿を現した。現在は14等ほどの明るさで、100日後の太陽最接近に向けて増光のようすが注目される。
6月から7月にかけては太陽の向こう側にあり見ることができなかったアイソン彗星(C/2012 S1)が、夜明け前の空に現われた。
画像1枚目はアストロアーツのプログラマーで天体観測者の門田健一氏が撮影したものだ。薄明が始まった東の空で高度9度という条件ながら、13.7等(CCD全光度・撮影者測定)の彗星を見事にとらえている。5月の夕空では15等級だったので、それと比較すると1等級以上の増光が確認された。
8月中は日の出まであまり間がない低空にあり、眼視で観測するには大口径(口径30cm以上)の天体望遠鏡が必要だが、中口径(口径20cm前後)でも撮影の対象となり、増光する姿を追いかけることができる。実際に見ることはできなくても、冬の星や火星・木星がにぎやかな明け方の空で「あの辺りにある」とイメージしながら接近に備えるのもよいだろう。
今後はだんだん高度を上げ、また地球からの距離も近づく。次のハイライトは、10月初めの火星接近だ。見かけだけでなく実際に近づくので、火星探査機による彗星観測も予定されており、どのような画像が届くのか楽しみだ。
そのころには水の氷が大量に蒸発して明るさを増し、中口径の天体望遠鏡で観察できるようになっていると予測される。