月を見よう(2014年)
月に関する基礎知識
はじめに
夜空に輝く天体の中でもっとも明るい天体といえば、もちろん月です。満月の時の月の光度は-13等級にもなり、月明かりで本を読むことだってできるほど明るい天体です。月は私達の住む地球の唯一の衛星です(最近では人工の衛星がたくさん地球の周りを回っていますが)。大きさはほぼ地球の4分の1ですが、平均距離38万kmのところを回っていますので、見かけの大きさは太陽と同じくらいになります。
月はまた肉眼でその模様を見ることのできる唯一の天体(もちろん地球は除いて)で、しかも満ち欠けをしますので、古来から注目されてきた天体でもあります。
月の模様
月面にはさまざまな模様が見られます。海と呼ばれる平地や、山脈、谷、などですが、何と言ってもクレーターと呼ばれるたくさんのアバタ模様が有名です。
また、月の欠けぎわを望遠鏡で見ると、クレーターが影を落としているために立体的に見えます。
月の見どころと主な地名を以下の印刷用PDFファイルで解説していますので、観察の際の参考にしてください。
月の満ち欠け
月は約1か月かかって地球の回りを公転しています。そしてその間に満ち欠けをして私達の目を楽しませてくれます。これは月が太陽の光を受けて輝いているためです。ですから月が太陽と同じ方向にあるときには月を見ることができません(唯一、日食の時だけは月をシルエットとして見ることができます)。
月と太陽が同じ方向にあるときを新月、あるいは朔(さく)といいます。このときの月齢を0とします。月は太陽から東側に向かって離れていきます。翌日には西の低い空に細い弧を描いて見えるはずです(実際には日没直後で見にくい)。月齢1(日本では二日月といいます)の月です。月は東へ移動しながら毎日少しずつ太っていきます。そして新月から約一週間後、太陽から90°東に離れたところで、半月(上弦の月)となります。このときの月齢は約7です。
月はその後も太陽から離れ、太陽から180°(つまり太陽の正反対側)に来たときに満月となります。さらにその後、太陽から270°東(90°西)に離れたところで、再び半月(下弦の月)となります。
もっと知りたい方へ
星ナビ.com「こだわり天文書評」では、月に関する本の書評を掲載しています。ここではその一部をご紹介。
「MOON GUIDE 月のきほん」
月の満ち欠けや衝突クレーターのでき方など、抑えておきたい月の基礎知識を65項目にまとめた解説書。
「月の下で Under the Moon」
月の美しい写真と、日本の月に関する和歌・俳句・小説が織りなす美しい一冊。
「月のえくぼ(クレーター)を見た男 麻田剛立」
月面や日食月食の観測を行い、クレーターにもその名を残す江戸の天文学者、麻田剛立(ごうりゅう)の伝記。
「月の記憶(上・下)」
人類の歴史でたった12人しかいない「月面に降り立った男達」が描いた人生模様を、筆者によるインタビューで明らかにする。