へびつかい座に今年3個目の新星出現

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8月8日、へびつかい座の領域に今年3個目の新星が出現した。13日には約9等まで明るくなっている。

【2018年8月14日 VSOLJニュース

著者:前原裕之さん(京都大学)

へびつかい座といて座の境界近くに新たな新星が発見され、9等台にまで明るくなっています。

ブラジルのBrazilian Transient Search(BraTS)のC. Jacquesさん、J. Barrosさん、E. Pimentelさん、P. Holvorcemさんたちのグループは、8月8.96日(世界時、以下同)に口径28cmの天体望遠鏡とCCDカメラを用いて撮影した画像から11.1等の新天体を発見しました。この天体は発見の半日ほど前の8月8.49日に愛知県の山本稔さんが撮影した画像には12.5等以下で写っておらず、発見直前に急速に明るくなったと思われます。この天体の位置は以下のとおりです。

赤経  17h42m24.08s
赤緯 -20°53′08.8″ (2000年分点)

確認観測画像
確認観測画像(撮影:清田誠一郎さん)

へびつかい座の新星の位置
へびつかい座の新星の位置。画像クリックで星図拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成)

スペイン領ラ・パルマ島にある口径2mのリバプール望遠鏡で8月9日に分光観測が行われ、P-Cygniプロファイルを持つ水素のバルマー系列の輝線の他、中性の酸素や窒素、一階電離した鉄やシリコンなどの輝線が見られることがわかりました。このようなスペクトルの特徴から、この天体が古典新星であることが判明しました。

発見後の観測によると、この新星は8月10日には10等級、11日には9.5等程度まで明るくなり、VSOLJやAAVSOなどに報告された観測データによると、13日には9等ほどで観測されました。今後の明るさの変化が注目されます。