「はやぶさ2」が次に訪れる小惑星に「トリフネ」と命名

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小惑星探査機「はやぶさ2」が2026年7月にフライバイ探査をする小惑星の名称が、日本神話の神の名で、神が乗る船の名前でもある「Torifune(トリフネ)」に決まった。

【2024年9月25日 JAXAはやぶさ2拡張ミッション

小惑星探査機「はやぶさ2」が2026年7月にフライバイ探査をする小惑星(98943)2001 CC21の名称が、9月20日付けの国際天文学連合・小天体命名委員会の回報で「Torifune(トリフネ)」と公表された。

Torifune (an abbreviation of Ame-no-torifune) is a god in Japanese mythology. It is also the name of the god's ship, which can travel safely at high speed like a bird and steady as a rock. The Hayabusa2 spacecraft will perform a flyby of this asteroid, and the name expresses the hope that Hayabusa2 will be able to safely conduct the high-speed encounter.

【日本語訳】トリフネ(天鳥船、『あめのとりふね』の略称)は、日本神話における神である。同時に神が乗る船の名前でもあり、鳥のように速く、岩のように安定して安全に航行できる船である。「はやぶさ2」探査機は、この小惑星のフライバイ探査を行う予定であるが、この名称は、「はやぶさ2」が高速でこの小惑星とすれ違う運用を安全に行うことができるよう願って付けられたものである。

小惑星「トリフネ」にフライバイする「はやぶさ2」の想像図
小惑星「トリフネ」にフライバイする「はやぶさ2」の想像図(提供:有松亘(京都大学)/JAXA)

この名称は、「2001 CC21 命名キャンペーン」で応募のあった名称の中から、YAC(ヤック:公益財団法人日本宇宙少年団)およびKU-MA(クーマ:認定NPO法人子ども・宇宙・未来の会)から選出された「子ども選定委員」9名の協力を得て選定されたものだ。

子ども選定委員の皆さん
「はやぶさ2」拡張ミッションチームメンバーらと記念撮影にのぞんだ子ども選定委員の皆さん(提供:JAXA)

命名キャンペーンの応募案のうち、5名以上から提案された名称は60個ほどあり、「とりふね」または「あめのとりふね」という名称提案者は10名だった。2001 CC21のような地球接近小惑星には神話から名称を選んで欲しいという国際天文学連合からの要望を受け、子ども選定委員で最終的に日本の神話に因んだこの名称を選定したという。

実際の名称提案権はこの小惑星を発見した米・リニアチームにあることから、「トリフネ」の名前はリニアチームから国際天文学連合に提案され、審査を経て正式に発表された。

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