ケレスの明るい光点は氷?

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今年2月に探査機「ドーン」がとらえた準惑星ケレスの光点の正体は、発見から3か月が過ぎた今でもはっきりとはしていないが、高解像度の観測から、複数の小さな点が集まっているものであることが明らかになってきた。氷が存在する可能性もあるという。

【2015年5月12日 NASA

探査機「ドーン」は今年3月から準惑星ケレスの周回軌道に入って観測を行っている。今月初めに約1万3600km上空から撮影された画像をつないで作られたアニメーションからは、ケレス表面のクレーターの大きさや形、重なり具合などがよくわかる。

ケレスの光点
ケレスの光点。クリックでアニメーションを表示(提供:NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA)(オリジナルのアニメーションはファイルサイズが巨大なため、リサイズして3MBにしてある)

とくに目を引くのが、今年2月(ドーンが周回軌道に入る前)に見つかった、北半球のクレーター内にある明るい2つの光点だ。依然としてその正体ははっきりしていないが、1ピクセルあたり1.3kmという今回の高解像度画像から、光点はより小さい点が複数集まってできていることが明らかになってきた。研究者たちは「太陽光を反射して明るく見えているもの」と結論付けており、光を反射している物質は氷かもしれないという。

ドーンは現在、じょじょに高度を下げており、来月からはケレス上空4400kmからの観測を開始する。光点の正体だけでなく、地表の様々な構造やその形成史、現在の活動状況なども解き明かされていくだろう。