オッカトル・クレーターもくっきり、ケレスの「衝増光」

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探査機「ドーン」が、正面から太陽に照らされる位置から準惑星「ケレス」を観測した。

【2017年5月17日 NASA JPL

NASAの探査機「ドーン」は2015年3月から準惑星「ケレス」の周回探査を行っている。先月末、ドーンは太陽とケレスのちょうど間に入る位置に移動し、高度約2万kmからケレスを撮影した。「オッカトル・クレーター」の中に見られる、ひときわ明るく白い輝点も明瞭にとらえられている。

ケレス
ケレス。白い点のところがオッカトル・クレーター。リリース元では動画が見られる(提供:NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA)

天体が観測者(この場合は探査機)を挟んで太陽と正反対にある、いわゆる「衝(しょう)」の状態にあるとき、天体はとくに明るく見える。「衝増光(opposition surge)」と呼ばれる現象で、天体表面の粒子が作る影が全体として少なくなることが主因であり、見る角度が少し違うだけでも大きな明るさの変化となる。地上からの観測や過去のドーンの観測によってケレスでもこの現象が起こると予測されていたことから、探査機の軌道を調整してちょうどいい位置から観測が行われた。

明るさの変化を詳しく分析すると、表面の粒子の大きさや穴の多さ(多孔性)に関する情報が得られる。ドーンによる2年以上にわたる観測で、ケレスの表面は他のどの太陽系内天体よりも様々な光の照射角度からとらえられており、今回のデータと合わせてケレス表面の特徴に関する新たな見識が次々に得られることが期待される。

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