ますます鮮明に!氷か塩か、ケレスで輝く謎の光点
【2015年5月29日 Universe Today】
NASAの探査機「ドーン」は準惑星ケレスを周回しながら観測を行っており、現在は少しずつ高度を下げているところだ。画像は5月16日にケレスから約7200km離れたところから撮影された連続写真の一部で、1ピクセルあたり700mの高解像度で地表をとらえている。
2月に見つかった表面の明るい光点については、氷のような太陽光を反射しやすい物質であることは判明したが、その正体についてはまだはっきりしていない。もし氷だとすれば、昇華するか塵に覆われるかして徐々に消えてしまうので、比較的新しいものだろう。火星の表面では小天体の衝突で地下の氷が露出することがあり、徐々に見えなくなってしまう。
ケレスの自転をとらえた動画「Ceres white spot complex」(YouTube動画)を見ると、クレーターが影で覆われているときにも光点が太陽光を反射していることがわかる。この点は高い場所にあるようで、日出時の映像からは、もっとも明るい光点が丘の斜面に沿って輝いているように見える。比較的最近起こった地滑りか天体の衝突によって、氷か塩が露出したものなのかもしれない。
ドーンがケレス表面にさらに接近して、より鮮明な像を届けてくれるのが楽しみだ。
〈参照〉
- Universe Today: Ceres bright spots sharpen but questions remain
〈関連リンク〉
〈関連ニュース〉
- 2015/05/12 - ケレスの明るい光点は氷?
- 2015/04/15 - ケレス表面の多様性が明らかに
- 2015/03/09 - 探査機「ドーン」、準惑星ケレスに到着
- 2015/03/03 - 準惑星ケレスの表面に謎の光
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