板垣公一さん、NGC 4617に超新星2005abを発見

【2005年2月7日 VSOLJニュース(135) / 国立天文台 アストロ・トピックス(80)

(VSOLJニュース)

(著者:山岡均さん(九大理))

山形県にお住いの板垣公一さんは、昨年6個の超新星を発見(独立発見を含む)するなど、たいへん活躍されている天体捜索者です。その板垣さんにとって今年初めての超新星発見が公表されました。

超新星が出現したのは、りょうけん座の銀河NGC 4617で、渦巻銀河を横から見た形をしています。板垣さんは、2月5.638日(世界時、以下同様)に撮影した画像から、16.7等級の新しい光点を見いだしました。超新星の位置は以下のとおりです。

赤経  12時41分05.18秒
赤緯 +50度22分56.2 秒 (2000.0年分点)
NGC 4617周辺の星図

銀河の中心から西に7秒角、南に40秒角のところになります。天体の存在は、埼玉県の門田健一さんによって同夜に確かめられ、また翌夜には板垣さん自身が確認しています。この間、超新星の明るさは特に変わっていません。発見前の観測から、少なくとも爆発1か月以内と考えられますが、詳しいことは今後の分光観測を待ちます。

板垣さんは、冬の良い空を求めて、今シーズンから栃木県に新しい観測所を開設しました。今回の超新星は、新しい観測所での最初の発見となります。今後の活躍が期待されます。

なお、vsolj-news 134で紹介したSN 2005Wは、海外の観測で、極大前のIa型超新星であるとわかりました。今後しばらく、太陽に近くなるまで、14等級台で見えるものと思われます。

(国立天文台 アストロ・トピックス)

山形県山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんが、りょうけん座の渦巻銀河NGC 4617の中に16.7等級の超新星を発見しました。この発見は兵庫県の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合に報告されました。

この天体は、板垣さんが2005年2月6日未明(日本時)、口径30cm望遠鏡を使って撮った画像に写っていました。同夜、埼玉県の門田健一(かどたけんいち)さんによって確認され、翌日夜には板垣さん自身が確認しています。超新星の明るさは特に変わっていません。

この超新星は2005abと命名されました。

超新星の位置は以下のとおりです(VSOLJニュースと同じなので省略)。

この天体はNGC 4617の中心から、西に7秒角、南に40秒角のところにあります。超新星の今後のスペクトル型の判定等が待たれます。

板垣さんは昨年6個の超新星を発見(独立発見を含む)されていますが、通算13個目の超新星発見となりました。

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