ハッブル修理ミッション、順調に進む
【2009年5月18日 NASA News (1) / (2) / (3) / (4) / (5)】
ハッブル宇宙望遠鏡の修理ミッション(STS-125)は、米国東部夏時間(以下同様)15日から17日にかけて計3回の船外活動が行われた。掃天観測用高性能カメラ(ACS)や宇宙望遠鏡撮像分光器(STIS)の修理が完了し、船外活動も残すところあと1回となった。
2回目の船外活動
ハッブル宇宙望遠鏡の修理ミッション(STS-125)では、飛行5日目の5月15日8時49分(日本時間21時49分)から2回目の船外活動が行われた。
この日の活動は7時間56分にわたり、姿勢検出装置とバッテリーモジュールの交換が行われた。HSTは3組6個のジャイロスコープを使って姿勢を検出し、向きを制御している。このジャイロスコープがすべて交換された。一方、バッテリーモジュールは太陽光発電ができない夜間に使われる電池で、今回の船外活動ではその一部が交換された。
また、この日はアトランティス号の断熱タイル40枚の調査も行われた。
3回目の船外活動
3回目の船外活動は、5月16日9時35分(日本時間22時35分)に始まり、6時間36分にわたって行われた。
この日はまず、HSTに搭載される観測機器の中でもっとも高感度の分光器である、宇宙起源分光器(COS」が取り付けられた。
また、2002年に設置され、その後漏電が起きたため2007年から停止していた掃天観測用高性能カメラ(ACS)の修理が行われた。ACSの修理では、作業にあたった宇宙飛行士が32個のネジを外し、4つの回路基板が取り替えられ、新しい電力供給装置が設置された。
4回目の船外活動
4回目の船外活動は、5月17日9時45分(日本時間22時45分)に始まり、宇宙望遠鏡撮像分光器(STIS)の修理が行われた。作業は8時間2分にわたり、これまでに行われた船外活動の中で、歴代6番目の長さとなった。
STISは、1997年に取り付けられ、2004年に電力が供給されなくなり停止し、その後セーフモードに入っていた。修理にあたり、宇宙飛行士は111個のネジをゆるめて、電力供給装置の取り替えを行った。作業中、手すりがじゃまとなり、ボルトが完全にはずれないというトラブルもあった。しかし、地上からの指示に従って、宇宙飛行士Michael Massimino氏が手すりを慎重に折り曲げて壊し、その後作業が続けられた。
ハッブル宇宙望遠鏡の修理ミッション(STS-125)は、予定されていた5回の船外活動のうち、4回を無事終了した。残る1回は、18日午前9時16分(日本時間22時16分)に開始される予定だ。