「かぐや」、予定どおり月面へ制御落下
【2009年6月11日 JAXA】
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、月周回衛星「かぐや」を日本時間(以下同様)6月11日3時25分に月面に落下させたことを発表した。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、6月11日の3時25分に月周回衛星「かぐや」を月の表側のギル(Gill)クレーター付近(東経80.4度、南緯65.5度の位置)に制御落下させ、同衛星の運用を終了した。現在JAXAでは、「かぐや」が月面に衝突した閃光の観測結果の提供を、国内外に呼び掛けている。
「かぐや」は、これまでに満地球の出・入りや地球のダイヤモンドリングなどの美しい光景を見せてくれた。また、得られたデータから、世界で初めて月の裏側の重力場が明らかにされ、世界一精巧な月面地形図も作成された。さらに、その成果は高く評価され、米科学誌「サイエンス」の特集号が発刊された。
しかし、これまでに分析されたデータはまだ一部である。「かぐや」のプロジェクトチームによる膨大なデータの解析はこれから始まる。また、観測データは今年11月1日からインターネット上で一般公開される予定だ。
※なお、子衛星であるVRAD衛星(おうな)は、観測データの収集は完了しており、今後データの校正のために必要な観測を行った後、運用を完了する。