落下直前「かぐや」のラストショット
【2009年6月19日 JAXA(1)/(2)】
6月11日に運用を終えた月周回衛星「かぐや」が、衝突直前に月面を低空から撮影した画像を、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公開した。
「かぐや」は6月11日午前3時25分ごろの制御落下直前まで観測を続けた。今回公開されたのは、衝突の約10分前に撮影された画像である。このときの「定常運用時の「かぐや」が高度100kmから観測したのに対して、撮影時には地表から20km前後にまで迫っていた。
公開されたのは、2つのカメラからなる「地形カメラ(TC)」の立体視画像と、NHKが開発した「ハイビジョンカメラ(HDTV)」による動画。いずれも分解能が高く、表面の凹凸がわかりやすい。なお、「かぐや」の制御落下地点は日陰だったため、月面は暗くて写っていない。
今回の立体視画像とハイビジョン映像は、「かぐや」がこれまでに撮影した画像とともにJAXAデジタルアーカイブス、「かぐや」画像ギャラリーおよびYouTubeのJAXAチャンネルで見ることができる。
1年半近い観測をついに終えた「かぐや」だが、データの解析は今後も続けられる。11月1日には観測データがインターネットで一般公開される予定。われわれが本当の意味で月に迫るのは、まだこれからだと言えよう。