発見は続く!土星探査機カッシーニのミッションが延長に

【2010年2月5日 JPL

NASAは、土星探査機カッシーニのミッションを2017年まで延長することを発表した。カッシーニは延長期間に、土星の季節変動や内部構造、環の質量、磁気の変化などに迫る観測を行う。


(カッシーニがとらえた土星の画像)

カッシーニがとらえた土星。クリックで拡大(提供:NASA/JPL/Space Science Institute)

カッシーニは小型機ホイヘンスとともに1997年10月に打ち上げられ、2004年に土星に到着。2005年1月にホイヘンスをタイタンに着陸させた後、連日観測データを送信し続けてきた。カッシーニは、6年間で土星のまわりを125回以上周回、タイタンに67回接近、エンケラドスに8回接近して、21万枚以上の画像を撮影した。

米・ワシントンD.C.にあるNASA本部で、惑星科学部門の主任をつとめるJim Green氏は「土星とその衛星に関するわたしたちの知識は、すばらしい発見と画像によって根本的につくがえされました。このミッションは、驚くべき科学成果をもたらし続けるでしょう」と話している。

当初、カッシーニのミッションは2008年に終了する予定だったが、その後2010年9月まで延長が決定されていた。今回はそれに続いて2度目の延長である。

新たに設けられた探査期間は、2017年5月まで。その間、カッシーニは土星のまわりを155回周回して、季節変化を調べる。カッシーニが、土星の北半球に到着したのは、冬至から数ヶ月経ったころだった。延長によって、夏至の数ヶ月間後におよぶまで観測を続け、観測としては例を見ないほど詳しいものとなる。そのほかに、土星の内部構造や環の質量、磁気の変化に迫る観測も行う。

NASAのジェット推進研究所でカッシーニ計画にたずさわる研究者 Bob Pappalardo氏は「ミッションの延長は、太陽系の外側の惑星が迎える季節変化を追うめったいにない機会となります。カッシーニによる発見の中でも特にエキサイティングなものは、まだこの先にあるのです」と話している。

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