板垣さん、増光中の新天体を発見 超新星か
【2010年8月12日 VSOLJニュース(246)】8月13日更新
山形の板垣公一さんが8月9日(世界時、以下同様)、りゅう座に新天体を発見した。8月3日の画像にも写っていたこの天体は、明るさの変化の様子から、典型的なIa型超新星という可能性もある。超新星であることが確認されれば、板垣さんにとって今年7個目の発見となる。
VSOLJニュースより
猛暑続きの日本ですが、夜空に涼を求める方も多いことでしょう。その夏の夜空のりゅう座に、超新星らしい天体が発見されました。発見したのは、大活躍を続けている新天体ハンター、山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんです。
板垣さんは8月9.705日撮影の画像から、16.4等級の新天体に気付きました。発見前の画像をチェックしたところ、8月3.614日に撮影していた画像にも17.5等で写っていることがわかりました。新天体の位置は以下のとおりで、近くの暗い銀河SDSS J175822.33+504733.1のすぐそばにあります。
赤経 17時58分22.56秒 赤緯 +50度47分34.0 秒 (2000年分点、板垣さんの測定) SDSS J175822.33+504733.1周辺の星図とDSS画像に表示した新天体
新天体は、宮城県大崎市の遊佐徹(ゆさとおる)さんやベラルーシのネブスキー(V. Nevski)さんによって、10日に16.0等前後で確認されています。やや明るくなっているところのようです。
この銀河の距離は不明ですが、仮にそばにあるNGC 6515と同じ距離としますと、発見からの明るさ変化は、典型的なIa型超新星(「関連ニュース」を参照)の極大前のようすと一致します。今後のタイプ判別や光度変化の追跡が望まれます。
このほかにも、日本人アマチュア天文家による超新星の独立発見が複数報じられています。皆さんの活躍は、目をみはるばかりです。
《8月13日更新分》
その後、分光観測が行われてこの天体がIa型の超新星であることが判明し、2010gvの符号が付けられました。