冥王星の衛星に名前をつけよう

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【2013年2月14日 SETI Institute

冥王星の2つの小さな衛星「P4」と「P5」は、それぞれ2011年と2012年に発見されたが、まだ名前がついていない。SETI研究所のウェブページでは、今月26日まで、広く一般からその候補を受け付け中だ。


冥王星の5つの衛星

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した冥王星と5つの衛星。クリックで拡大(提供:NASA, ESA, and M. Showalter (SETI Institute))

冥王星の衛星P4は、2011年にハッブル宇宙望遠鏡の画像から発見された。続いて翌年にはP5も発見された。衛星の大きさは、P4が直径13〜21km程度、P5が直径10〜25km程度だという。

冥王星の衛星の名前は伝統的に、ギリシャ・ローマ神話にでてくる冥界やその王「ハーデス」に関連する名前がつけられている。1978年に初めて発見された冥王星の衛星はカロン、2005年に発見された2つの小さな衛星はニクスとヒドラと名づけられた。カロンは冥府の川・アケローンの渡し守、ニクスは夜の女神、ヒドラは地下を守る怪物の名前に由来している。

衛星P4とP5の発見チームでは、現在衛星の名前を広く一般から募集している。SETI研究所の専用ウェブページ(日本語)では、冥界に関連する名称候補が挙げられているので選んで投票してみよう。また、フォームから名前を提案してふさわしいと判断されれば、選択肢に追加される。

応募は日本時間2月26日午前2時まで。正式な名前は、国際天文学連合(IAU)よる検討を経て決定する。

命名候補とその由来

  • アケローン(Acheron):冥界にあるとされる5つの川のうちの1つ。痛みの象徴。
  • アレークトー(Alecto):ハーデスに仕える復讐の女神(エリニュス)のうちの一人。
  • ケルベロス(Cerberus):三頭蛇尾の冥界の番犬。
  • エレボス(Erebus):カオスの息子、原始の神で暗闇の象徴。
  • エウリュディケー(Eurydice):冥界にとらわれたオルペウスの妻。連れ戻しに来たオルペウスが途中で約束を破って振り返ってしまったため、戻れなかった。
  • ヘーラクレース(Hercules):ヒドラを殺した半神半人の英雄。
  • ヒュプノス(Hypnos):ニクスとエレボスの息子。眠りの象徴。
  • レーテー(Lethe):冥界の5つの川のうちの1つで、忘却の象徴。
  • オボルス(Obol):ステュクスの川を通るために、渡し守カロンに支払った銀貨。
  • オルペウス(Orpheus):竪琴の名人。妻エウリュディケーを連れ戻すため、音楽を奏でて冥王ハーデスと女王ペルセポネーを魅了するが、結局叶わなかった。
  • ペルセポネー(Persephone):冥王ハーデスにさらわれ、冥界の女王となった。植物と再生の象徴。
  • ステュクス(Styx):ニクスとエレボスの娘。冥界とこの世とを区切る三途の川の名前でもある。
  • ウゥルカーヌス(Vulcan):火と煙の神。ハーデスの甥。

(候補はニュース公開時のもので、アルファベット順)