グリーゼ667Cのハビタブルゾーンに複数の系外惑星

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【2013年6月27日 ケック天文台ヨーロッパ南天天文台

22光年彼方にある恒星のハビタブルゾーンに、3つのスーパーアースが見つかった。同一の惑星系のハビタブルゾーンにこれほど多くの惑星が見つかったのは初めてだ。


グリーゼ667Cの惑星系

未確定の惑星も含むグリーゼ667Cの惑星系。ハビタブルゾーン(緑色)にある3つのスーパーアースのほかに、範囲外にも惑星候補が存在する。クリックで拡大、アニメ表示(提供:Rory Barnes)

グリーゼ667C系の惑星からの風景

三重連星系に属するグリーゼ667C。その周囲の惑星からは3つの“太陽”が見えるのかもしれない(提供:ESO/M. Kornmesser)

さそり座の方向22光年彼方にある6等星のグリーゼ667Cには3つの惑星が存在し、そのうち1つがハビタブルゾーン(中心星からの距離が液体の水の存在にちょうどよい範囲)にあるということがこれまでの研究でわかっていた。

独ゲッティンゲン大学のGuillem Anglada-Escudéさんらは、さらに他の惑星がないか探してみた。研究では、米ハワイのケック天文台、チリのラスカンパナス天文台、同じくチリのラシーヤ天文台の望遠鏡を用いて、新たな観測とともに過去の観測データの再検証も行った。

その結果、グリーゼ667Cのハビタブルゾーンに3つのスーパーアース(地球質量の数倍〜十数倍程度の系外惑星)があることがわかった。同一の星のハビタブルゾーンにこれほど多くの惑星が見つかるのは初めてだ。さらにこの惑星系には最大で7つの惑星が存在する可能性があるという。

グリーゼ667Cは3つの恒星からなる三重連星系の星のうちもっとも暗い星で、質量は太陽の3分の1しかない。論文共著者のRory Barnesさん(ワシントン大学)は、こうした軽い恒星のハビタブルゾーンに複数の惑星が見つかるということは、ハビタブルな(生命に適した環境を持つ可能性のある)惑星は思ったよりも多数存在しているのかもしれないという。

「たくさんの恒星にそれぞれ惑星があるかどうか調べる代わりに、1つの恒星をじっくり調べれば、たくさん惑星を見つけることもできるのです」(Barnesさん)。


ステラナビゲータで系外惑星の位置を表示

ステラナビゲータでは、700個近くの「惑星の存在が確認された恒星」を追加天体として「コンテンツ・ライブラリ」で公開しており、中心星が存在する方向を星図に表示できます。ステラナビゲータをご利用の方は、ステラナビゲータの「コンテンツ・ライブラリ」からファイルをダウンロードしてください。