紫外線天文衛星「GALEX」の運用終了
【2013年7月10日 NASA】
NASAの紫外線天文衛星「GALEX」が先月末、10年にわたる運用を終了した。
2003年4月に打ち上げられ、2年半の予定を大きく超えて観測が続けられてきた天文衛星「GALEX」(Galaxy Evolution Explorer)の運用が終了した。
「GALEXは驚くほどの成果を挙げてくれました。紫外線の波長で観測を行って、銀河の地図作りや研究に貢献してくれました」(GALEXプログラムの責任者Jeff Hayesさん)。
GALEXの10年間における主な観測成果は次のようなものだ。
- くじら座の変光星ミラに彗星状の「しっぽ」を発見
- ブラックホールが恒星を引き裂きながらむさぼり食う現場の観測
- 老いた銀河を取り巻く、若い星々から成るリングの発見
- 暗黒エネルギーの性質を独立に確認
- 老いていく過渡期にある若い銀河を発見
さらにGALEXは、星雲から巨大な腕を持つ渦巻銀河まで、さまざまな天体の美しい画像も多数とらえた。天の川銀河の中心部の調査や活動銀河核の変動の監視を行い、ブラックホールの活動や超新星爆発の衝撃波なども観測してきた。
「GALEXのミッションは終わるとしても、その科学的発見は、まだこれから続きます」(GALEXミッションのプロジェクト・マネジャーをつとめるKerry Ericksonさん)。
今後GALEXは少なくとも65年間は軌道を回り続け、その後地球に落下、大気圏へ再突入する。