「山梨県立科学館」のプラネタリウムがリニューアル

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山梨県立科学館のプラネタリウム「スペースシアター」が7月20日にリニューアルオープン。暗い夜空に映し出されるシャープな星と、明るく色彩豊かな全天映像の2つが独立したシステムが導入された。

【2019年7月30日 アストロアーツ】

山梨県立科学館(甲府市)のプラネタリウム「スペースシアター」が7月20日(土)にリニューアルオープンを迎えた。従来のデジタル投影機を一新し、全天映像用ではオリハルコンテクノロジーズ製「アマテラス」、デジタルプラネタリウム用ではアストロアーツ製「ステラドームプロ」の2系統の映像システムを備えた、日本国内屈指の美しい映像が見られるドームシアターとなっている。

プラネタリウムで投影に使用するプロジェクターは、光学式投影機に合わせるためには黒の締まりが重要だが、全天映像を投影するためには明るさが重要になる。しかし、黒の締まりが良く、かつ明るいデジタルプロジェクタは非常に高価になるため、通常は、どちらかに重点を置いたシステム構成とならざるを得ない。

そこで山梨県立科学館では、光学式投影と全天映像の双方の良さを引き出すために、2系統のデジタル投影システムを用意した。これにより全天映像とプラネタリウムの星空をそれぞれ美しく映し出し、来館者の満足度をより向上できるドームシアターとなっている。

全天映像用には5台の2Kプロジェクターで4Kドームマスターの映像を映し出す。高輝度(8500ルーメン)のため、映し出される映像はまるで映画館で見るように明るい。

デジタルプラネタリウム用には4Kレーザープロジェクター1台(3000ルーメン)を使い、光学式投影機と組み合わせて黒が締まった映像で、より本物に近い星空を再現している。また、プロジェクターの配置を変えたことで、一部の席から視界の妨げとなっていたプロジェクターが撤去され、星空がより見やすくなった。

解説を担当する信清憲司さんによると「全天映像がとても明るくてびっくりしています。オムニマックスやアストロビジョンより明るいので今まで見た中では一番きれいです。ステラドームプロも地道なバージョンアップが続いていてたいへん使いやすく、安心して投影ができます。現在、大村智名誉館長の半生を描いた『大村智ものがたり』を上映中ですが、それに合わせた星空解説では大村名誉館長の故郷である韮崎市の風景を使っています。今後も山梨県内の様々な風景を映し出すことによって、これまでとは違った味わいを楽しんでいただけるようにしていきたいと思います」ということで、今後の投影も楽しみだ。

投影の様子
大平技研製光学式投影機「MEGASTAR-IIA Kaisei」とアストロアーツ製デジタルプラネタリウム「ステラドームプロ」の組み合わせによる甲府市の星空と夜景

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