若田さん、5度目の宇宙から帰還

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国際宇宙ステーションでの長期滞在を終えた若田光一さんら4名の宇宙飛行士を乗せた宇宙船「クルードラゴン」が12日、米・フロリダ州沖に無事着水した。

【2023年3月13日 JAXA

昨年10月から国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在していた若田光一さんと3名の宇宙飛行士が搭乗した米・スペースX社の宇宙船「クルードラゴン(クルー5)」は、日本時間(以下同)3月11日16時20分にISSから離脱した。

ISSを離れる直前の若田さんら4名の宇宙飛行士
ISSを離れる直前の4名の宇宙飛行士(白い宇宙服を着た方々)。4名の中で一番右にいるのが若田さん(提供:NASA)

ISSを離れてから約18時間後、クルードラゴンは大気圏に再突入してパラシュートを展開し、12日11時2分ごろに米・フロリダ州タンパ沖に着水した。海上で待機していた小型船がクルードラゴンを曳航し、回収船へ引き上げてからハッチが開かれた。3番目に外へ搬出された若田さんは、元気な笑顔を見せて、地上スタッフとグータッチを交わしていた。

クルードラゴンの帰還
(左上)パラシュートの展開、(右上)着水、(左下)小型船に曳航されるクルードラゴン、(右下)外へ運び出された若田さん(提供:NASA/JAXA)

今回のISS滞在中、若田さんは低重力環境下における液体の挙動や、無重力環境下での物質の燃焼の違いを調べるなどの実験を行った。実験で得られた知見は、将来の月・火星の有人探査活動で使用される有人与圧ローバや離着陸機や生命維持システムといった機器の設計に役立てられる。

また、若田さんは長年の目標であった自身初の船外活動を1月20日と2月2日に行い、主に新型の太陽電池アレイを設置するための架台を取り付けた。「宇宙ステーションの一番端で仕事をしましたけれども、その先に明るく輝いている月がとても印象的でした。私たちを新たな有人宇宙探査に導いてくれるように見えました」(若田さん、最初の船外活動後のコメント)。

若田さんの宇宙滞在時間は累積504日18時間35分となり、自身が持っていた日本人最長記録をさらに伸ばした。さらに約157日のミッションでISS滞在時間は累積482日15時間57分となり、こちらも日本人最長となった。

船外活動中の若田さん
船外活動を行う若田さん(提供:JAXA/NASA)

《JAXA 山川宏理事長談話(抜粋、要約)》

若田光一宇宙飛行士が無事帰還いたしましたことをたいへん嬉しく思います。

若田宇宙飛行士は、これまでスペースシャトル、ソユーズ宇宙船およびクルードラゴン宇宙船の3種類の宇宙船に搭乗し、今回で5回目のフライトでしたが、日本人で初めて累積宇宙滞在日数で1年超を達成しました。また、今ミッション中、自身初となる計2回の船外活動を実施し、2030年までのISS運用・利用に必要な新型太陽電池アレイの設置架台を取り付けました。

若田宇宙飛行士は、NASA宇宙飛行士も含めた中でも豊富なフライト経験を有しており、今回のミッションでも、その経験を活かし、重要な責務を見事に果たし、より多くの成果を仲間の宇宙飛行士と共創してきてくれたと思います。引き続き、ISSや「きぼう」等地球低軌道における利用の拡大や国際宇宙探査の推進に貢献してくれるものと期待しております。

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